経済の死角
2013年08月30日(金) 

天然ガスの世界市場が形成されない背景

〔PHOTO〕gettyimages

文/ 野神隆之(JOGMEC 石油調査部上席エコノミスト)

シェール革命で世界がどのように変化したかを語る前に、世界の石油と天然ガス市場の特徴について、互いの違いに触れつつ説明するのは有意義であろう。

まず、石油については、多少の課題もなしとしないものの、一応世界市場が形成されている。これは、石油が基本的には常圧常温下で液体であり、それほど特殊な装置を必要としない港湾でタンカーに積み込んで、またそれほど特殊な装置を必要としない港湾で陸揚げ出来ることから、比較的容易に世界中に輸送できるという背景があるからである。

このため、米国の原油価格と欧州及び中東の原油価格は緩やかながらも連動しており、またそれが日本の輸入原油価格、ひいては国内のガソリン小売価格にも影響を及ぼしている。そして、世界の石油の60%近くが輸送部門で消費され、反対に輸送部門のエネルギー消費の93%は石油である。

他方、天然ガスについては、石油に比べて環境面では優れている(例えば二酸化炭素排出量は石油に比べて約4分の3、窒素酸化物は石油に比べて約半分、硫黄酸化物はほぼゼロとされる)が、常圧常温で気体であることから、輸送が問題となる。

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