「2ちゃんねる」元管理人への課税処分は 「麻薬幇助は不起訴」への意趣返しか
掲示板「2ちゃんねる」のトップページより

 インターネット掲示板「2ちゃんねる」の元管理人である西村博之氏に対し、東京国税局が1億円の申告漏れを指摘していることが明らかとなった。

 西村氏は、これまで通り沈黙を貫いているので、国税サイドの情報に依るしかないが、「2ちゃんねる」で発生した広告収入約3億5000万円(09年~12年)は、シンガポールの管理会社に送金され、西村氏はそのなかから報酬として支払われた約1億5000万円を申告していたという。

 だが、国税当局は、残る約2億円も管理会社がペーパーカンパニーで、実質的には西村氏の個人所得と認定。西村氏は、12年分として約1億円を申告したものの、残る約1億円分を申告しなかったために、課税処分された。既に、修正申告のうえで、追徴税額約3000万円を納付した。

長きにわたる麻薬特例法違反容疑での捜査

 西村氏は、覚醒剤売買に関する書き込みを放置、覚醒剤の購入をそそのかしたという麻薬特例法違反(あおり、そそのかし)容疑で、警視庁生活安全部サイバー犯罪対策課による長い捜査を受けてきた。

 サイバー犯罪対策課は、他のセクションの応援も受け、関係先を家宅捜索、西村氏が2009年にシンガポールの管理会社に管理運営権を譲り渡したのは偽装で、削除依頼に応じず、放置しているのは西村氏の指示であることを立証、西村氏を逮捕しようとした。

 だが、「2ちゃんねる」は、通常の組織の概念が当てはまらない「ゆるい集合体」で、縦ラインの指示系統があるわけではなく、実際、削除はボランティアの削除人が中心となって行っている。
 どれだけ捜査しても、「西村氏が覚醒剤密売の書き込み放置を指示した」という結論に辿り着くことはできなかった。というより、何の利益も見返りもないのに、「あおり」を行うハズもなかった。

 ただ、2ちゃんねる捜査は、犯罪があったか、なかったかを問うものではなかった。「2ちゃんねる」だけではないが、ネット掲示板が、売春やクスリの販売に利用され、無法地帯となっていることを憂慮した樋口建史前警視総監が指示、一罰百戒の意味を込めて捜査着手した。いわば「国策捜査」である。

 捜査関係者には、西村氏の個性に対する反発もあった。

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