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プロ野球レポート いったい何が起きたのか 東北楽天が首位を独走するなんて

2013年08月28日(水) 週刊現代
週刊現代

 今季ここまで逆転勝ちを収めたゲームは4試合連続を含む23。エースの田中が開幕から16試合連続で勝ってしまうほど、今年の楽天はとにかく負けない。万年Bクラスの球団はいかにして進化したか。

本物のエースが現れた

 球団創立('05年)以来、Aクラス入りはわずか1回、最下位が3回。一時はリーグのお荷物球団だった楽天に、何が起きているのか。

 今シーズンの楽天の強さの象徴として真っ先に挙げられるのが、開幕16連勝のプロ野球記録を樹立した田中将大であることは間違いない。

「スピードも、投げている球種も、去年と変わっていない。特別、調子がいいわけでもない」

 と捕手目線で分析するのは楽天二軍監督の大久保博元氏だが、ではなぜ田中は劇的に進化したのか?

「実は昨シーズンと比べ、大きく変わったことがあります。それはテンポ。軽視されがちですが、投球のテンポは非常に重要です。たとえば音楽なら、一本調子だったり、途中で止められたり、雑音が入ったりしたら、どんなに名曲でも台無しになるでしょう? それと同じ。フォアボールが続けば、『またかよ』と野手は気が滅入り、動きが悪くなる。逆に投球のテンポがいいと、野手の気分が高揚する。バックの守備もバッティングも良くなるものなのです」(大久保氏)

 一方、投手目線で見ても、田中が今季、好投している原因はやはり「メリハリをつけたテンポのいいピッチング」にあるという。

 野球評論家の前田幸長氏が解説する。

「今季の田中は得点圏にランナーが進むまでは、打たせて取る省エネピッチングをしています。力みがないぶん、コントロールが良くなり、失投が減るので、一球で打者を仕留めるケースが少なくない。四球も減っています。まれにヒットが続いてピンチを迎えることもありますが、そうなって初めてギアを入れて、投げるボールの質を上げる。このメリハリ投法が今季、うまくはまっています」

 変化は数字にハッキリと表れている。例年より奪三振率が減ったものの、すでに150回を突破するなど、投球イニングが大幅に伸びているのだ。

 1試合平均8回投げ、しかも防御率は1点台をキープ(8月14日現在。以下同)。

 絶対エースの名に恥じない田中の奮闘抜きではチームの58勝40敗という好成績、2位ロッテに4・5差をつけての首位快走は成し得なかったといっても過言ではあるまい。

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