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坂井直樹「デザインのたくらみ」
2013年08月30日(金) 坂井 直樹

建設ラッシュの続くタワーマンションは「ヒエラルキー発生装置」でもある

実際、エレベーターで自分よりも上の階に住む人と乗り合わせると、不思議なことに「上の階の住人オーラ」を感じてしまう。「見える化」された高低の格差が原因だろう。特に社会で常にヒエラルキーに晒されている男性が相手の場合はこの傾向が顕著である。

タワーマンションの構造と値付けは、人間の「見栄」に基づく心理的ヒエラルキーを発生させる装置となるのである。こうした「ヒエラルキー発生装置」は他にもたくさんある。

たとえばファースト・ビジネス・エコノミーと分けられた飛行機は、同じ地域に向かって空を飛んでいるだけなのに格差を感じてしまう。フェラーリのような高級車も、一般道を走るだけならあんなスペックやスピードは必要ないと分かっているのに、隣を追い越されると格差を感じてしまう・・・などなど。

こうした「装置」は、サービスを提供する側には価値の多様化によって利益を追求する機会を生み出す。一方の利用者の側には、望むと望まざるとにかかわらず、収入格差というヒエラルキーに基づく社会の縮図を強く意識させる効果をもたらしている。

 

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