町田徹「ニュースの深層」
カテゴリーアイコン

早くも骨抜き!?TPP交渉 打開には農業の"聖域"5分野見直しが不可避か

2013年08月27日(火) 町田 徹
upperline
交渉に先立ち米通商代表部のフロマン代表と会談した甘利大臣 [Photo] Bloomberg via Getty Images

 政府は、23日から始まったブルネイでの会合で、本格的なTPP(環太平洋連携協定)の協議をようやくスタートした。24日に閉幕した閣僚会合には、甘利明経済財政・再生大臣が出席、年内合意に向けて交渉を加速する方針を再確認する共同声明に名を連ねた。

 しかし、新聞報道によると、30日まで続く担当官レベルでの交渉では、最終的に関税をゼロにするまでの猶予期間を10~20年程度に延長する方向で議論していることが判明。
 早くも交渉が大きく後退している可能性を伺わせている。

 米国の自動車関税の撤廃問題について、政府が今春の2国間の事前協議で大幅な譲歩をしたことも影を落としている。TPPの目標だった「高い次元での合意」を実現するためには、農業の聖域(5分野)の見直しを避けて通ることが難しくなっている模様だ。

 今回の交渉会合は19回目。前回の会合から正式に参加した日本にとっては、前回が情報収集に終始したため、今回が初めての本格的な交渉となる。

共同声明は21分野中9分野での交渉難航を認める

 甘利大臣らの共同声明は、TPPの対象になっている21分野のうち、「物品市場アクセス(関税)、投資、金融サービス、政府調達に関連した問題のほか、知的財産や競争政策、環境の各問題を含む協定文書作りが焦点となった。労働や紛争解決など残る未解決の問題も協議した」と9分野の交渉が難航している事実を認めた。

 そのうえで、閣僚会合自体が「2013年の妥結」は、「各国首脳の指示」だと指摘。今後の交渉について、参加している12カ国の首脳が一堂に会する、インドネシア・バリ島でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が「重要な節目となる」と、交渉を加速して、それまでに一定の成果を出す方針を確認するものとなっている。

 ただ、共同声明の決意表明とは裏腹に、30日まで続く、実務レベルの交渉官会合での協議は難航を極めているという。

 

次ページ  26日付の東京新聞によると、…
1 2 3 4 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ