全国百貨店の売上高変調に見る アベノミクスの真の持続力
[Photo] Bloomberg via Getty Images

 安倍晋三首相が進めるアベノミクスの効果で好調な伸びが続いてきた百貨店の売上高に変調をきたし始めた可能性が出てきた。
 日本百貨店協会が8月20日に発表した全国百貨店の7月の売上高(店舗数調整後)は、前年同月比で2.5%減少した。今年1月にプラスに転じた百貨店売上高は4月に0.5%のマイナスになったものの、その後も伸び続け、とくに6月は7.2%増の高い伸びを示していた。それだけに7月の数字の行方が注目されていた。

 協会の発表では、「7月は中旬まで、九州北部の豪雨災害をはじめ全国的な低温や天候不順によって集客に影響を受けたほか、セールの分散化で一部需要の後ろ倒しが見られた」ことを販売が落ち込んだ理由とみていた。また、土曜日が前年と比べて1日少なかったことが経験値では-1%前後の影響を与えているとしていた。
 それを差し引いてもマイナスであったことが分かる。

8カ月連続でプラスだった「身の回り品」がマイナスに

 中でも目を引いたのが「身の回り品」の売り上げ減少。前年同月に比べて2.3%減少した。靴、アクセサリー、ハンドバッグ、財布、傘といった商品。百貨店関係者によれば、景気に敏感な商材で、景気が良くなる時はまっ先に売れ始め、悪化する時はまっ先に売りなくなるという。景気に敏感な女性の支出が多い部門だからだろう。

 月次の統計でこの「身の回り品」がプラスに転じたのは昨年11月。
 それ以来、今年6月まで8カ月間連続でプラスが続いてきた。その「身の回り品」がマイナスに転じたのは、消費が変調をきたし始めていることを意味しているのかもしれない。

 もっとも、6月の「身の回り品」の伸びは14.0%増。夏のボーナスが増えたことで、前倒しで一気に財布のひもが緩んだという見方もある。7月は6月が大きく伸びた反動だった可能性もあり、8月以降の売れ行きを見なければ即断できない、という指摘もある。

 もう1つ注目されるのが「美術・宝飾・貴金属」の売り上げ。7月は14.2%増と引き続き2ケタの伸びを示したが、6月の16.3%増に比べて伸び率が鈍化した。この部門の売上高は昨年9月にプラスに転じて以来、伸び続けているが、明らかに傾向が変わってきた。
 12月0.7%増→1月6.8%増→2月8.6%増→3月15.6%増→4月18.8%増→5月23.3%増→6月16.3%増→7月14.2%増と、きれいに弧を描いている。5月をピークに伸び率が低下しているのだ。

「美術・宝飾・貴金属」はいわゆる高額消費の代表格である。

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