次期NHK会長は民間か内部昇格か それ以上に注目されるの安倍首相の介入の度合

 水面下で、来年1月に任期が満了するNHKの松本正之会長(元JR東海社長)の後継人事が早くも取り沙汰され始めた。

 きっかけになったのは、安倍晋三首相と太いパイプを持つ鉄道会社幹部の言動だ。この幹部は、松本現会長の就任の際にも大きな影響力を及ぼしたとされている。ところが、今回は松本会長の続投を推さず、別の人物を推薦する声をあげて波紋を呼んでいる。その意中の人物は、NHKの理事経験者だ。

 この夏の中央省庁のトップ人事でも、安倍政権は、次々と各省庁に介入して既定の人事をひっくり返し、官庁を震え上がらせたばかり。それだけに、NHKの幹部人事に介入しようとしても不思議はない。

後任には元NHK理事の諸星衛氏の名が

 しかし、中央省庁と違い、NHKは中立性を問われる公共放送だ。国営放送局でもなければ、特定政党の機関メディアでもない。もし、仮に時の政権が人事に介入して意中の人物をトップに起用するような事態になれば、NHKの信頼性が大きく損なわれる恐れがある。

 複数の関係者によると、安倍首相と太いパイプを持つ鉄道会社幹部が松本会長の後任として名前をあげて、安倍政権に推挙しているのは、元NHK理事の諸星衛氏だ。
 諸星氏は、政治部長、理事、NHKインターナショナル理事長などを歴任した人物。1997年から2005年まで7年半にわたって、NHK会長を務めた海老沢勝二元会長の腹心だったことが知られている。相次ぐ不祥事で海老沢体制が一新された際に、NHK理事を退任した経緯もある。

 それゆえ、鉄道会社幹部の諸星氏推薦は「時計の針を戻すのか」との反発を呼んだ。そして、同じNHK出身で国際、経済畑が長く、ニュースキャスターの経験のある今井義典氏を対抗馬に推す動きが出て、水面下の後継レースが一気にヒートアップしたという。

 2人以外の候補としては、今春のNHK委員長人事で白羽の矢が立ちながら、新聞が事前に報じたため、起用が見送られた本田勝彦日本たばこ元社長の名前も取り沙汰されている。本田氏は安倍首相の学生時代の家庭教師で、今なお首相と個人的に親密とされる。

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