複雑化した社会を投影した『半沢直樹』のリアリティー
後半の東京編にも期待高まる

TBS日曜劇場『半沢直樹』公式HPより

成功の要因はなにか?

テレビ局には連日、電話やメール、ハガキなどによる抗議が寄せられる。その内容は文書化され、某民放では当事者にまで渡される。ある出演者は滑舌の悪さを指摘され悲憤していた。

抗議は視聴者に認められた行為であり、テレビ局側は真摯に耳を傾けるきだが、日本は、表現の自由と言論の自由、思想・信条の自由が認められた国だ。正当と思われる理由がなければ屈することはないし、反論も許される。

問われるのは、抗議を受けた際の姿勢だ。テレビ局の話ではないが、松江市の教育委員会は、市民からの抗議を受け、漫画『はだしのゲン』の自由閲覧を禁止した。抗議は自由だが、大半の人が知らないうちに、それに屈するという姿勢は正しかったのだろうか。国際的評価を得ている『はだしのゲン』でさえ、このような扱いを受けるのだから、評価を得る前の作品なら、ひとたまりもないだろう。

こういった流れはテレビ界にも静かに広がっているように見える。目に見えない「忖度」(そんたく)というものが働き始めているように思える。抗議を受けそうな内容、あるいはネットで攻撃されそうなものは最初から放送しない――。そうなると、角が取れた、幅の狭い番組しか見られなくなるのだから、最終的に不利益を被るのは視聴者だ。やらせや人権侵害等は論外だが、そうでない限り、テレビ局にはやりたいことをやってもらいたい。タブーに挑戦し続けてほしい。

快進撃を続けているTBS日曜劇場『半沢直樹』は、メガバンクの内幕を描くというタブーに挑んだ。メガバンクは民放の大スポンサーだから、二の足踏んでもおかしくはない。実際、過去には、社会問題化した「変額保険」を扱いながら、忖度したのか、「相続保険」と名称を変えて放送した他局のドラマがあった。しかし『半沢直樹』に余計な忖度や配慮は感じられない。それも大ヒットの要因の一つだろう。

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