白河桃子 × 駒崎弘樹 ~安倍政権は産んで働く女性の味方なのか?~
【第2回】 「イクメンの火種を絶やしてはいけない。消費されておしまいにしてはいけない」

【第1回】はこちらをご覧ください。

極端に軽視されている学童保育

白河: 学童保育の問題もありますね。学童に関しても、やっぱり皆さんかなり苦労しています。

駒崎: まず小1の壁というのがある。

白河: 小1の壁もありますし、それから4年生になったらどうするかという第2の壁があるんですよね。働くお母さんたちは本当に、常にさまざまな壁を抱えながら働いています。

駒崎: 小4の壁は塾でしょうね、基本的には。

白河: そうですね。でも、共働きの家庭って、実は今、一番お金を持っているんですよ。正社員の場合は。正社員共働き夫婦、各世代に実はまだ15%しかいないんですけれども、そういう人たちが教育には一番お金をかけられる。でも悩みは専業主婦のお母さんほど、塾やお稽古ごとの送り迎えに時間を割けないことです。

リクルート出身の女性が、塾に行かなくてもここに預けておけば全部大丈夫ですよという、高級学童みたいなものを立ち上げようとしています。そこにお金を注ぎ込めるようなお宅にとっては、そうやって選択肢がいろいろと出てくることは良いことなのかな、とも思います。

駒崎: 選択肢が増えるのは良いことだと思いますけど、ただ、所得格差がそのまま教育格差に反映されるようになっちゃうと・・・。それは貧困の再生産を生むことになるでしょうね。やっぱり公立の学童にきちんと社会的投資をしないとダメなんですよ。

白河: それはありますね。そこはそこでしっかりやって欲しいですよね。

駒崎: そこはそこで。プラスアルファで英語やなんかを学ばせたいときなんかは、どうぞ別で払ってくださいと。

白河: お稽古事もしてほしいという、アンケート結果が出ているんですよね。

駒崎: お稽古事代は別で払えばいいし、最低限の宿題をやるとか、あるいは、いじめられている子どもたちがここに来たらホッとできるよねとか、そういったセーフティーネットの機能というのは、絶対に公立は持たなければいけないから、ちゃんとそこにはお金をつぎ込まなければいけない。しかし、『子ども・子育て支援法』の中で、学童保育というのは極端に軽視されているんですよ。

白河: それはなぜなんでしょうか?

駒崎: なぜかというと、学童保育運動というのは左派政党系の運動に同化していったという歴史的経緯があるからなんです。

最初、学童保育というのは、みんなでお金を出し合って小規模にやっていこう、といった感じだったので、やっぱり、草の根の市民運動だったんですよ。そこに唯一理解を示してくれたのはある左派政党だけだったというところがあって、ある意味では非常に同情すべき立ち上がりだったんです。けれども、徐々にそれが政治運動化していってしまったわけです。

当時の自民党政権からすると、そういう人たちと話をするのは嫌なんですよ。だから、公的な援助というのも滞っていったと。結局、学童の業界団体も、いまだに共産系しかないという状況になってしまって、政権と距離が遠いまま来てしまったという、非常に不幸な歴史があるんです。

白河: それはもったいないですね。せっかくいいシステムなのに。

駒崎: そうなんですよ。だから、僕が最近、保育運動をやっている親御さんに言うのは、基本的にぜんぶ超党派でやろうと。

白河: そうそう。それが一番ですよ。超党派でやらないと、必要なことも、政治の道具にされてしまう。

駒崎: どこかひとつとべったりしないで、超党派でやる。確かに左派政党の人は勉強しているし親切だから良いんですけど、でも、かつての学童保育運動みたいに見られちゃうと、もう、それで運命が決まってしまうから。

 でもそんなふうに言うと、僕が炎上(笑)。「なんであんた、そんなひどいことを言うんだ」みたいな感じになる。

白河: そうなんですよね(笑)。ちょっと、そっちの話に行っても大丈夫ですか?

駒崎: はい、どうぞ。

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