スポーツ

[自転車競技]
白戸太朗「人ごみでロードレースを!」

2013年08月18日(日) スポーツコミュニケーションズ

観光地でロードレース

コース脇には大勢の観客が詰めかけた

 東京の観光地の中心と言っていいお台場にレースを作ってしまった人もいる。フジテレビの本間学氏は、イベントも重なり人でごった返す夏のお台場に、あえて「お台場サイクルフェスティバル」という自転車イベントを作った。自転車をこよなく愛する本間氏は「多くの人に見てもらうには、多くの人が集まるところでやらなければならない」という当たり前だが、日本においてもっとも実現の難しい論理に従い、人混みの中でレースにチャレンジしたのだ。

各種イベントも盛り上がる

「スポーツサイクルに触れる機会のない人に、スピード感や迫力を知ってもらいたい」という気持ちが多くの人を動かし実現したのだ。もちろん、ただレースを開催するだけでは。一般客は関心を示さない。「楽しくなければ自転車ではない」というのをキャッチフレーズに、様々な自転車の展示や、試乗など楽しめるコーナーを設置。いろいろな角度から「自転車」という乗り物を遊べるようにしたのだ。

 もちろん多くの制約があり、イベントとしても、レースとしても成立させるのは難しかった。既存にないスタイルに、出展したメーカーからの不平が出ていたこともある。それでも、毎年修正を繰り返し、3年目の今年は8月3、4日の2日間で3万7000人を超える観客が集まり、大いに盛り上がった。

お台場を選手が駆け抜ける

 レースとしては1周800mの小さなコースで、適した場所とは言えないかもしれない。しかし、「レースのためにレースをやる」という競技団体的な思考ではなく、「スポーツサイクルの認知拡大のためにレースをやる」という志向がこうした新しい形のイベントを生み出したと言えよう。

 この形がベストなのか分からない。ただ、自転車界において現在必要なイベントであることは間違いないだろう。まだ発展途上の「お台場サイクルフェスティバル」。今後、どのような形になっていくのか楽しみだ。

<白戸太朗(しらと・たろう)プロフィール>
 スポーツナビゲーター&プロトライアスリート。日本人として最初にトライアスロンワールドカップを転戦し、その後はアイアンマン(ロングディスタンス)へ転向、息の長い活動を続ける。近年はアドベンチャーレースへも積極的に参加、世界中を転戦していた。スカイパーフェクTV(J Sports)のレギュラーキャスターをつとめるなど、スポーツを多角的に説くナビゲータとして活躍中。08年11月、トライアスロンを国内に普及、発展させていくための新会社「株式会社アスロニア」の代表取締役に就任。今年1月に石田淳氏との共著で『挫けない力 逆境に負けないセルフマネジメント術』(清流出版)を出版。
>>白戸太朗オフィシャルサイト
>>株式会社アスロニア ホームページ

 

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