『IT企業という怪物 組織が人を食い潰すとき』(著者:今野晴貴/常見陽平)
~第1章 未来の芽を摘む「IT労働」より~

まえがき

今、世間では「ブラック企業問題」が話題になっている。就職活動にのぞむ学生たちは、「ブラック企業にだけは入るまい」と見分け方を必死に探している。

『IT企業という怪物 組織が人を食い潰すとき』
著者=今野晴貴/常見陽平
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だが、「ブラック企業」の語源を知っているだろうか? 実は、「ブラック企業」という言葉を生み出したのは、本書のテーマである、IT労働者たちである。

「ブラック企業」という言葉は、2005年頃、IT労働者たちが、インターネット上にスラング(悪口)として書き込みはじめて、広がった言葉だ。そして、2010年頃に、就職活動生たちが使いはじめて、爆発的に広がった。

なぜ、IT労働で広がったのかというと、IT業界の働かせ方は、異常なまでに過酷=「ブラック」だったからだ。

当時から、IT業界は「35歳定年」などと言われた。何日も会社に泊まり込むのは当たり前。土日でも呼び出されたら働かなければならない。働きすぎて死んでしまったり、鬱病にかかることも多く、結婚もできない。要するに、働かせ方がきつすぎて、皆35歳くらいのなると身体を壊したりして、辞めざるを得なくなってしまうのだ。

今では、「ブラック企業」はITを飛び越えて、さまざまな業種で話題になっている。それらブラック企業の特徴は、「新興産業」に多いということだ。外食や小売り、介護などがこれに当たる。こうした新興産業で、急成長している企業には、昔ながらの労務管理が存在しない。急作りの企業や業界だから、「ルール無用状態」なのだ。

新しい企業で、ルールがない。だから、ブラック企業が大量に発生する。また、ブラック企業の広がっている業界は、新卒を大量に採用している。大量に採用して、過酷な労働に従事させ、すぐに「使い捨て」にする。これを繰り返している。だから、新卒市場では、ブラック企業の割合がとても高くなっている。

「ブラック企業」の話題が、中高年ではなくて、新卒の間で爆発的に広がったのも、そうした背景があるからなのだ。

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