安愚楽牧場、AIJ投資顧問、MRIインターナショナル---インチキファンドの確信犯的手口に、打つ手はあるのか!
安愚楽牧場のHPより

一昨年に破綻した和牛商法の安愚楽牧場が負債総額4,300億円。昨年のAIJ投資顧問が2,000億円で、今年、破綻したMRIインターナショナルが1,300億円---。

投資詐欺商法の規模が大きくなり、不感症になった感はあるが、考えてみれば、牛への投資で安定利回りの安愚楽、リーマンショックにも負けない高収益のAIJ、米医療機関の診療報酬の回収資金を日本でだけ集めていたMRIといった怪しげな商法で、よくこれだけのカネが集まったものである。

安愚楽もAIJもMRIも眉唾。プロ投資家の間では、「危険商法」として知られていた。しかし、一般投資家にはそれが見抜けなかった。

最も多く報道される「振り込め(母さん助けて)詐欺」の被害総額が、昨年1年間で364億円であることを考えれば、いかに「安心、安全、高利」を謳い文句に、投資家からカネを集めるインチキな運用会社、投資会社が多く、また実際に大きく集められるか、ということである。

小規模ファンドの破綻はほとんど報道されない

この3社は被害金額が大きいだけに、安愚楽とAIJは既に刑事事件化、MRIも捜査が進展しており、事件報道を通じて広く国民に伝わっている。また、有罪判決が確定すれば、首謀者は罪を償い、一罰百戒の効果がある。だが、数百億円規模のファンド破綻は、何回かは報道されても、刑事事件化しなければ忘れられていくものが大半。100億円以下となると、破綻そのものが報じられないことすらある。

例えば、投資詐欺のスピーシーである。英国政府公認のブックメーカー(賭け業者)を利用、同じ試合でも賭けの倍率が違うところに目をつけ、大量の人員を投入、コンピューターで瞬時に情報を見分けて投資すれば、「確実に儲かる」というふれ込みで、昨年5月の配当停止、経営破綻までに約400億円を集めていた。

田中慎代表は、真摯な対応を約束していたが、投資家は民事訴訟で取り戻すしかなく、400億円まで膨らんだのは、代理店網を使いマルチの手法で集めた波田直樹氏の関与、海外投資の世界ではチャーリー・タカのペンネームで知られる田塩了寛氏の推奨があったためだが、彼らは今、「スピーシーの運営には関係ない」と、距離を置く。

刑事事件については、大阪府警捜査2課が内偵中だが、投資先や運用会社が海外で、加害者が被害者となる「マルチのカベ」もあって、捜査は遅々として進んでいない。

また、最近では、8月8日、金融庁が「虚偽の説明で集めた資金を無登録の貸金業者に貸し付けていた」として第二種金融商品取引業の登録を取り消したウィズ・アセット・マネジメントがある。『読売新聞』1社が報じただけなので、ほとんど知られていないが、ファンドで集めた136億円を、親会社のインフィニティ・ホールディングスが、他の事業に使っていた。

100億円台でこの扱いである。数十億円単位のファンドで立ち行かなくなったものはヤマほどあり、そのほとんどが知られていない。未公開株、海外資源、太陽光発電、エコ関連、採掘権など投資先はヤマのようにあり、運用方法は多種多彩だが、要は、カネ集めを目的としたインチキファンドである。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら