Code for America ~5年目を迎え規模拡大、国際展開が進むテック系公共サービス・プログラム

Code for Americaのアニュアルレポートより

若きウェブ技術者により地域の行政をよりオープン、透明、そして効率的にするための約一年間のフェローシップ・プログラム、「コード・フォー・アメリカ(Code for America)」の設立から、間もなく5年目を迎えようとしています。

日本でもNHKの番組で創業者のプレゼンテーションが放映されて話題になったり、公共機関の保有するデータを公開するというオープン・データの機運が世界的に高まっていたりすることもあり、「コード・フォー・アメリカ」の名前を聞いたことがある人も多いかもしれません。

初めてのフェローが選抜された2010年末に『ウェブ技術者と地域行政が出会うプログラム~「コード・フォー・アメリカ」の試み』として本サイトでも紹介しましたが、それからたった2年半の間に、この取り組みは、行政の効率化や市民参画をウェブ技術で促進する「シビック・テック」という分野の強力なブランド組織、業界リーダーに成長しつつあります。

こうした動きを見ている中で、ここ数ヵ月間は特に大きな変化と進化の様子が顕著に現れてきています。今回はそのポイントを5つの点に絞ってご紹介します。

①2年半のフェローシップ・プログラムがもたらした成果

コード・フォー・アメリカが4月に公開したアニュアルレポートを見ると、この若き非営利団体がいかに多くのインパクトをもたらしつつあるかを、豊富な画像と動画を通じてインタラクティブに学ぶことができます。

コード・フォー・アメリカとは、ウェブデザイナー、エンジニアが各地方自治体にチームとして派遣され、課題・問題点をヒアリングした上でウェブサービス、アプリを作成する、というプログラムです。初年度にはフィラデルフィア、ボストン、シアトルの3都市に派遣された約20名のフェローにより、21ものサービスが開発され、地方行政の改善・効率化に貢献しました。

2年目には、初年度の360人程度から550人へと応募者数も増加し、受入先の自治体も8都市に拡大。ウェブサービス・アプリも30近く開発され、そのうちのいくつかは事業として独立し、資金調達などにも成功しています。

サービスの内容は様々ですが、地域で見つけた問題をスマートフォンで記録してレポートし、情報を受け取った自治体がその課題を効率的に解決することを可能にするアプリ、といったスタンダードな内容のものも多くあります。また、地方自治体のウェブサイトの複雑な過去ログの分析をすることで、頻繁にアクセスされる内容を見つけやすくする検索サイトもあります(Honolulu Answers)。

地域の公立学校の選択の際に参照していた複雑で分かりにくい28ページもの冊子を、地図サービスを利用したウェブサイトを開発することで、必要な情報を瞬時に得られるようにしたサービスなども実現しました(DiscoverBPS)。このサービスは、従来の方法で見積もりを出した際には200万ドル(約2億円)の予算と、2年の開発期間が必要だと言われていたそうです。ところが、コード・フォー・アメリカのフェローはこれに数名で取り組み、2ヵ月半のうちにシステムを完成させたのです。

その他、タウンホール・ミーティングにあまり人が集まらないという課題に対しては、ウェブサービスやテキスト・メッセージを活用することで効率的に市民の声やアイディアを集め、お互いのコメントやアンケート結果を可視化するサービスなども実現しました(Mindmixer / Textizen)。

プログラムを終えたフェローのなかには、取り組んでいたサービスの反響が大きく、更なる充実を地域や自治体から期待され会社を設立するケース(CivicInsight)もあれば、自治体の専門家として行政から雇われる場合もあり、パートナーである各地方自治体、シビック・テック系企業、民間企業などからも大きな期待が寄せられています。

なお、フェローたちの進路状況については、コード・フォー・アメリカのブログ記事にも紹介されています。

●"CfA Fellows: Where Are They Now?"

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