東南アジアとアメリカ東海岸のハイブリッド!? 今年シンガポールに生まれた理想のカレッジ「Yale-NUS」を視察してきた

2013年08月15日(木) 田村 耕太郎
Yale-NUSカレッジのキャンパス内 (筆者撮影)

現代の賢人はシンガポールに住むべき!?

今後多様な人材を輩出しそうな理想のカレッジに、アジアの中心地で出会った。今年開学したばかりの「Yale-NUSカレッジ」である。300年を超える歴史を誇り、5人のアメリカ大統領を生んだアメリカの名門・エール大学と、今やアジア№1といわれる総合大学・国立シンガポール大学がタッグを組んで生まれた、新しいリベラルアーツカレッジを先日、この目で見てきた。

2007年にニューヨークからシンガポールに居を移した高名な投資家兼作家ジム・ロジャースは、「あなたが1807年に賢明だったらロンドンに住むべきであった。あなたが1907年に賢明であったらNYに住むことを選ぶべきであった。もしあなたが2007年に賢明であったら、シンガポールに住むべきだろう」と語った。このジム・ロジャース氏もエール大の卒業生だ。

前日にシンガポール大学関係者に視察希望を打診したというショートノーティスにもかかわらず、シンガポール大学リークワンユー公共政策大学院のキショー・マブバニ学長のお嬢さん、シェイラ・マブバニさんが案内してくれた。彼女は2年前にエール大学を卒業し、今はこのカレッジのアドミッションオフィサーをやっている。

彼女はこのカレッジで働くに最適な人物である。シンガポール政府の国連大使を長く務めたお父さんの影響でNY暮らしが長かった彼女は、人生の半分をシンガポールとアメリカ東海岸で過ごした。このカレッジと同じ、東南アジアとアメリカ東海岸のハイブリッドである。そんな彼女の大学受験はエール大学一本だったそうだ。

「早期出願で合格していたからですよ」と謙遜するが、この一途さは潔い。彼女曰く「学部生を大切に扱ってくれるのはエールだと思いました。だからエールに落ちたら同じく学部生を大切にしてくれるブラウンを考えていました。悪いけど、エールのライバルといわれるハーバードは考えませんでした。これは私見ですが、ハーバードはどちらかというと大学院を大切にしている大学だと思います。ロースクールやビジネススクールに行くならいいでしょうけど」ということだ。




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田村 耕太郎

(たむら・こうたろう) 前参議院議員。エール大学上席研究員、ハーバード大学研究員などを経て、世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク「ランド研究所」で唯一の日本人研究員を務めた。
国立シンガポール大学公共政策大学院名誉顧問、新日本海新聞社取締役東京支社長。
1963年生まれ。早稲田大学卒業、慶応義塾大学大学院修了(MBA取得)。デューク大学ロースクール修了(法学修士)、エール大学大学院修了(経済学修士)、オックスフォード大学上級管理者養成プログラム修了、ハーバード大学ケネディスクール危機管理プログラム修了、スタンフォード大学ビジネススクールEコマースプログラム修了、東京大学EMP修了。
2002年から10年まで参議院議員を務めた間、内閣府大臣政務官(経済財政、金融、再チャレンジ担当)、参議院国土交通委員長などを歴任。
シンガポールの国父リー・クアンユー氏との親交を始め、欧米やインドの政治家、富豪、グローバル企業経営者たちに幅広い人脈を持つ。世界の政治、金融、研究の第一線で戦い続けてきた数少ない日本人の一人。
2014年8月、シンガポールにアジアの地政学リスクを分析するシンクタンク「日本戦略情報機構(JII)」を設立。また、国立シンガポール大学(NUS)リー・クワンユー公共政策大学院の兼任教授に就任し、日本の政府関係者やビジネスリーダーに向けたアジア地政学研修を同校教授陣とともに実施する。
著書に『君に、世界との戦い方を教えよう 「グローバルの覇者をめざす教育」の最前線から』などがある。