賢者の知恵
2013年08月23日(金) 週刊現代

「倍返しだ!」人気ドラマ
『半沢直樹』の世界は本当だった
銀行マンの出世争いはこんなにエグい

週刊現代
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 理不尽な上司、不毛な派閥争い、計画倒産する取引先、家族の不満。かつて"エリート集団"と崇められた銀行が、ここまで"ブラック"だったとは。世間の常識が通用しない実録『半沢直樹』の世界。

部下の手柄は上司のもの

「銀行マンにとって何より大事なのは組織内の序列です。最初の配属からその序列は決まっています。たとえば東京の日本橋支店だと同期内の序列はトップ10圏内ですが、評価が下位なら田舎の支店に配属される。だから序列を上げるのに必死で、とにかく長いものにからめ取られ、ガマンを競うのが銀行マンという生き物なのです」

 大手金融機関や総合商社などを何社も渡り歩いた経験を持つ経済評論家の山崎元氏は、銀行マンの世界をこう評する。

 そんな銀行を舞台に、上司にたてついてでも筋を通す型破りなヒーローを描いたドラマ『半沢直樹』(TBS系列・日曜21時~)が、評判を集めている。

 バブル末期に入行し、20年ほど経った現在、融資課長を務める半沢直樹はある日、支店長から鉄鋼会社への5億円もの融資を無担保で行うよう厳命される。半沢は反対するが、功を焦る支店長に押し切られてしまう。融資からわずか3ヵ月で同社は倒産。銀行から資金をだまし取ろうとした計画倒産だった。

 支店長は、全責任を半沢に押し付けようと画策するが、半沢は「やられたらやり返す。倍返しだ!」と、債権の回収と上司の責任追及に闘志を燃やす。

「バブル世代にとって、上司たちは鬱陶しい存在です。銀行業界を不況に陥らせた戦犯にもかかわらず、責任を取らない、といった具合に。だけど今、管理職の立場になったバブル世代は、超氷河期に就職活動を強いられたロスジェネ世代の目にはバブル時代に楽な就職をした無能力者と映っている。いつだって世代間の闘争はあるものです。だから『半沢直樹』の世界は、銀行だけでなく、うちの会社にも当てはまると、世代と男女を問わず働く大人たちに感じてもらっているのではないでしょうか」

 ドラマの原作『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』の著者・池井戸潤氏はこう言うのだ。

 それにしてもドラマで描かれる銀行マンの世界はエグい。そもそも半沢直樹の父は町工場の社長で、銀行からの融資を打ち切られたために首吊り自殺を選ぶという救いのない設定だ。

 では、銀行マンの現実はどうなのか。理不尽な上司がかつては数多く存在したと証言するのが、40代目前のメガバンク中堅行員だ。

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