白河桃子 × 駒崎弘樹 ~安倍政権は産んで働く女性の味方なのか?~
【第1回】 「今後必要になってくるのは『小規模保育』と『2階建て補助』です」

[左]白河桃子さん(少子化ジャーナリスト)と、[右]駒崎弘樹さん(認定NPO法人フローレンス代表理事)

ポスト待機児童問題の顕在化

白河: 今日は「少子化対談」シリーズの第一弾ということで、駒崎さんにお越しいただいたんですけれども、まずはじめに、駒崎さんのメインエリアである保育園の話などを中心に、安倍政権の女性政策に関して、いろいろお聞きしたいと思います。

もう一つは、やはり普通の市民が政策に対して何か申し立てたい、ここを変えたい、というときに、どうすれば政治と対話したり、効力を持つ行動を起こしたりできるのか、ということについてお聞きしたいと思います。多分、多くの方が分かっていないことだと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

駒崎: それは大切なことだと思います。ぜひ。

白河: 私は以前からずっと結婚支援をやっているのですが、今、「働く」というテーマへとシフトしているんですね。どうしてかというと、女性が出産しても当たり前に働き続けられるような社会にならないと、結婚などとてもできない状態なんですよ(笑)。家族を養える男性の数が少なすぎて。対照的に、女性たちの年収も上がっていますし・・・。

駒崎: 本当にそうですよね。

白河: まさに男性不況ですよね、97年ごろから。もうこれ以上がんばって婚活なんかしても、限界があるだろう、と。女性が当たり前に働けて、共働きの家庭が当たり前に回っていくような社会にならないと、これ以上は絶対に無理だな、ということを肌身に染みて感じているんです。

そこで、駒崎さんがやっていらっしゃるような、働く女性の支援になる事業を注目しています。昔は保育園を作っても結婚が増えるものなのか疑問に思っていたんですけれども、今は逆に、まずそこがないと始まらないな、と感じています。特にリーマンショック以降は、確信していますね。

駒崎: 保育園がある意味、インフラになっていますよね。

白河: そうなんです。安倍政権の少子化危機突破タスクフォースでも、横浜方式で待機児童問題が解決できるのではないかという熱い視線が注がれています。駒崎さんはこの業界をずっと見てこられて、横浜方式に関してはどのような感想をお持ちですか?

駒崎: ちょうど昨日、ネットに批評を書いたんですけれども、横浜方式自体については、実はいろいろな批判があるんです。

白河: 例えば、どんな批判が?

駒崎: 待機児童のカウントの仕方が違うじゃないかとか、保留児童がいるのにとか、いろいろ言われるんです。でも、そういう批判があってもなお、前進させたんだからいいじゃないか、というふうに僕は思うんです。

白河: 私もそれはすごく感じます。完全ではないにしても横浜方式には優れたところがいっぱいあるな、と。やっぱり、もともと民間にいらした方がやっているので、現場で解決するっていうのを徹底しているな、と。

駒崎: そうですね。ですから僕は、すごく評価しています。一方で、じゃあこれでめでたしめでたしなのかというと、そうではなくて、戦いはまだまだ続く。

白河: ゴールはまだ遠いわけですね。

駒崎: 遠いです。なぜなら、潜在待機児童問題があるじゃないですか。保育園があったら私も働くのにな、という人はそもそも申込みすらしていなかった。ですから、保育園ができたら、そういう人たちが顕在化してくるわけです。

一説によると、顕在している待機児童数が2~5万人なのに対して、潜在待機児童数は85万人もいるんです。アットマーク全国で。つまり横浜にも潜在待機児童がそれなりの数いるはずですから、それが徐々に顕在化してくるというのが今後のシナリオです。

それから、シナリオ2として、「どうやら横浜には保育園あるらしいぞ」というのも考えられます。ダメな杉並から、あるいはダメな世田谷から転入してくるパターンが加速されます。

白河: はい、はい。転入してきますよね。知り合いの女性が言っていました。横浜に実家があるから、いっそあっちに引っ越そうかな、って。そういう人が絶対に増えますよね。

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