[アイランドリーグ]
高知・井川博文「150キロ超えでアピールを」

2013年注目選手に訊く Vol.3

 四国アイランドリーグPlusは後期シーズンが開幕して1カ月が経過した。NPB入り、または復帰を目指してプレーする選手たちにとっては野球人生を賭けた熱い夏が続いている。

 前期は最下位に終わり、低迷する高知において、今秋のドラフト候補として期待されているのがエースの井川博文だ。サイドからMAX149キロの速球とスライダーを投げ込み、ここまでリーグトップの112個の三振を奪っている。

 今季は開幕から先発を任され、5勝7敗と黒星先行ながら、防御率はリーグ4位の2.50。7月19日の香川戦では9回1死までノーヒットに封じる快投をみせた。四国にやってきて3年目。今年こそNPB入りを狙う右腕に残るシーズンへの決意を語ってもらった。

9回1死までノーヒット投球

お手本とするピッチャーはヤクルトにいた林昌勇(現カブス)。

――このリーグで先発に転向したのは昨季後半から。それまでは抑えや中継ぎが主でした。「長いイニングを投げられるところをみせたい」との定岡智秋監督の考えですが、ピッチングに変化はありましたか。
井川: リリーフの時は1球1球、全力投球していましたが、先発になってからはペース配分しながら投げています。高知は決してリリーフ陣が安定しているとは言えないので、クローザーの吉川(岳)さんに直接バトンを渡すつもりでマウンドに上がっています。

――チームは負けが込み、なかなか勝ち星が伸びませんが、前期は同じくドラフト候補の又吉克樹(香川)と8回まで0-0の投手戦を演じた試合(6月22日)もありました。
井川: 又吉は同じサイドで、いいピッチャーなので試合前から意識していました。ゲームのテンポが良かったので、いつもは三振を狙うところでも、どんどん打たせるように投げたのが好投につながったと感じています。0-0の試合でしたから、絶対に先にマウンドは降りたくなかったですね。

――しかし、又吉は9回1死までパーフェクトに抑える完璧な内容。井川さんは8回までわずか2安打に抑えながら最終回にサヨナラホームランを浴びて、負け投手になってしまいました。それから約1カ月後、再び直接対決(7月19日)がありましたね。
井川: 前回やられていたので、負けたくない気持ちは強かったです。調子は普通でしたが、課題の立ち上がりをうまく乗り切れたので、今日は行けるという気になりました。

――四死球を与えながらも、ノーヒットピッチングが続きました。記録を意識したのは?
井川: 7回くらいです。その時点では、もうランナーを四死球で何回も出していたので、あまり緊張はしませんでした。ただ、ノーヒットが終盤まで続くのは野球人生で初めての経験。さすがに9回は「いつ打たれるかな」と少し弱気になって、心理状態がおかしかったです。それで甘く入ったところを打たれてしまいました。

――記録達成は逃したものの、9回1死まではノーヒット。又吉にも投げ勝ちました。
井川: 前回とは逆のかたちでやり返せたのはうれしかったですね。欲を言えば、最後まで投げ切りたかった(初安打を許した直後に吉川へ交代)。それは反省点です。