防衛・安全保障
広島原爆の日、空母型護衛艦「いずも」の命名・進水式に改めて思うのは"平和ボケ日本"
空母型護衛艦「いずも」(ジャパンマリンユナイテッド提供)

 ヘリコプターを搭載する空母型護衛艦「いずも」(基準排水量19500トン)の命名・進水式が6日、製造したジャパンマリンユナイテッド(IHIの造船部門やユニバーサル造船などが統合して発足)の横浜事業所磯子工場であった。

 すでに空母型護衛艦は「ひゅうが」「いせ」の2隻が就役しており、「いずも」で3隻目。「ひゅうが」型に比べて全長が51メートル長い248メートルで、海上自衛隊が保有する護衛艦では全長や基準排水量が最大となり、「空母」的な色彩を一層強めた。
 中国海軍の対艦巡航ミサイルを搭載した最新鋭鑑が東シナ海のガス田や尖閣周辺などに出没しており、防衛のための機動力を高める狙いもあると見られる。

米海軍の空母サイズに近づいた空母型護衛艦

 米海軍の原子力空母「ジョージ・ワシントン」の全長が約330メートルであり、「いずも」は本物の空母に大きさで近づいた。筆者は命名・進水式に取材に出向いたが、ばかでかいというのが第一印象だった。
 この「いずも」建造のために、追加工事をして磯子工場のドッグを長くしたという。

「ひゅうが」型ではヘリコプターを格納庫から甲板に運び上げるエレベーターが甲板上に付設されていたが、「いずも」では舷側式となり、甲板が広く効率的に利用できることも特色のひとつだ。航空能力も高め、ヘリ搭載数を増やして哨戒ヘリコプター7機、救難・輸送ヘリコプター2機の計9機を搭載できる。同時に発着できるスポットも1つ増えて5ヵ所になった。新たに大型車両輸送能力も付け加えたために、離島などでの上陸作戦支援も可能となる。
 ある専門家は「甲板の厚さを変えれば、垂直離着陸の戦闘機も搭載可能になるのではないか」と見る。

「いずも」の命名・進水式に臨む海上自衛隊員(筆者撮影)

 対中国海軍上、航空防衛能力の強化は必要である。ミサイルの射程圏外から中国艦の動きを警戒するためにはヘリコプターが有効だからだ。現在の憲法解釈からは攻撃型空母の保有は認められないため、あくまで防衛型である。

 さらに輸送艦や補給艦としての機能も強化した。
 乗員470人に加えて450人が乗船できるほか、手術室や35の病床も備えている。多目的に活用し、国内外での災害救助活動などでも効率的に機能することを狙って設計されている。

「いずも」の建造費は約1200億円。今後、艤装工事などをして2015年3月に就役する予定。防衛省はさらに4隻目の空母型護衛艦も建造中。海上自衛隊は4つの護衛艦隊を保有しており、空母型護衛艦が艦隊の「旗艦」となる。

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