わかりやすい伝え方の法則
【第6回】 教えるのが上手い人の特長とは

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【第5回】はこちらをご覧ください。

世の中には教えるのが上手い人と、そうでない人がいます。その違いはどこにあると思いますか?

トーク? 知識の深さ? 情熱? いいえ、違います。「相手が何を考えているか」がわかる人です。

教えるのがうまい人は、相手がどこでつまづいているのか、どこを勘違いしているのかがわかります。そこを指摘してあげられるので、結果として「教え方が上手」になるのです。

そして、教えるのが上手くなるかどうかは、相手をどれだけ見ているか、どれだけ相手に関心を持って「この人だったら、こう考えるかもな・・・」と感じ取れるかにかかっているのです。つまり、あなたの内面的な能力ではないのです。

「教え上手」になるためには、あなたの内面を磨くだけでは不十分です。いかに相手のことを思って、相手の考え方を受け入れ、相手がつまづいているところを見つけるかなのです。

生徒を見ていない教師が「教え上手」になれるはずはありません。ずっと黒板に向かって話している大学教授は「教え上手」にはなりえません。いくら机に向かって勉強しても「教える力」は身につきません。

羽生善治さんの『大局観』(角川書店刊)に、「コーチングのこつ」が書かれていました。まさに同じ事を指摘されていらっしゃいます。

「将棋を教えるときに肝心なことは、教わる側は何がわかっていないかを、教える側が素早く察知することだと考えている」(P89)

この指摘は、「将棋を教えるとき」に限りません。誰かに、何かを伝える・説明する・教えるときには、すべて当てはまる重要なことです。