企業・経営
苦境に立つ日本のボーイスカウト ~大きく変わった企業の社会貢献の形
日本ジャンボリーの会場(山口きらら浜)=ボーイスカウト日本連盟提供

青少年運動の老舗であるボーイスカウトが、少子化の中で苦戦している。1983年に33万人いた日本のボーイスカウト人口は今や14万人。2年後の2015年夏には世界162の国と地域からスカウトが集まる「世界スカウトジャンボリー」を、44年ぶりに日本に招致したが、30億円を超す予算の確保にも四苦八苦している。長期にわたって続いたデフレによって企業の協賛姿勢が大きく変わったことなどが背景にある。

世界大会に向けて「まだまだこれからの状態」

山口県の瀬戸内海に面した臨海公園「きらら浜」で、7月31日から8月8日まで、ボーイスカウトの祭典「日本ジャンボリー」が開かれている。4年に1度行われるキャンプ大会で、今回で16回目。国内外から1万4000人のスカウトや指導者が参加している。日帰りでの参加や一般の見学者も多く、最高で6000人近い来場者があったという。皇太子さまや安倍晋三首相らも会場を訪れており、地元の山口新聞は連日大きく報道。全国紙やテレビにも取り上げられた。

今回は2年後に予定される23回世界スカウトジャンボリーのプレ大会という位置づけで、50を超す国と地域からスカウトが参加している。会場では野外アリーナを使ったショーや様々なイベントプログラムが行われ、子供たちの笑顔があふれている。

だが、一方で、大会を取り巻く環境は厳しい。国や自治体の補助金や企業の協賛金が思うように集まらず、参加者の負担が大きくなっているのだ。2年後の世界大会には3万人が集まる予定だというが、開催期間も長いため、参加費だけで今回の2倍のひとり10万円が予定されているという。アフリカなど発展途上地域の参加者には負担が重いため、参加費を安く設定するなど配慮するが、それにも資金が必要になる。

今回のジャンボリー開催でも企業に積極的な協力を呼び掛けてきた、という。例えば昼間の時間帯に参加スカウトたちが、ブースを回って様々な体験を行う「シティ・オブ・サイエンス」「カルチャー」といったプログラムでは、企業に協賛ブースの出店を呼びかけた。

ヤクルト本社が協賛した「健腸ラボ」は、ビフィズス菌と免疫作用の関係などを学ぶことができるブースで、健康飲料ヤクルトの歴史なども紹介していた。

ジャンボリー会場の体験型ブース(筆者撮影)

 新東工業のブースではブラスト加工の技術を体験できる機械が設置され、アルミ製のマグカップに自分の名前や好きなデザインをスカウトたちが自ら彫っていた。体験型のブースはスカウトの人気を集めていた。同社の永井淳社長がもともとボーイスカウトで、会期中にブースを運営した同社の社員のべ10人もすべてボーイスカウト経験者が担当した、という。

また、ガムの「Sストライド」を展開するモンデリーズ・ジャパンが協賛したブースでは「チューインガムの進化と歴史」を知ることができるイベントが行われていた。このほか、本田技研工業や中部電力、クラシエフーズなどが協賛ブースを出していたが、すべて合わせても1ケタ。各県のボーイスカウト連盟によるブースなど80余りがある中で寂しい限りだ。2年後に向けた"実験"とはいえ、「まだまだこれからの状態」(ボーイスカウト日本連盟)だという。

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