池上彰×津田大介 【第4回】「情報を見抜く目を養うには試行錯誤しかありません」
共著『メディアの仕組み』記念対談
この対談は7月10日(水)に行われたメディアの仕組み』出版記念トークイベントの内容です。

第3回】はこちらをご覧ください。

「ポリタス」のヒントはニューヨーク・タイムズの記事

津田: 実はこれ、池上さんにも1回お見せしたかもしれないけれども、ポリタスのヒントになっているのは、ニューヨーク・タイムズの記事なんですよね。ニューヨーク・タイムズで「最近注目されているデータジャーナリズム」というふうな記事があって、けっこうこれに感動したんですよ。

ニューヨーク・タイムズが去年の大統領選の前にやったデータジャーナリズムで、ネットを使ったデータ分析を報道に活かすという記事なんですけど、これはオバマとロムニーがどういうふうな発言を何回言ったのかというのを、バブルのマップにしたんですね。そうすると、たとえばここだったら、ロムニー陣営はとにかく「Business」だと言っていて、オバマは「Women」ということを言っていて、女性が大事だとか、あとは「Medicare」が大事だと言っているんですね。じゃあ、どういう文脈でメディケアと言ったのか、と。

まあ、回数の分析とかだったら、多分日本の新聞社もやると思うんですね、どっちの陣営はこういうことが多かったというのをグラフにするのが多かったと思うんですが、この報道がすごいのはそこからで、ボタンをクリックすると、どの文脈でそういう発言がされたのかというのが一覧で比較できるんですよね。まあ、党大会の話なので応援演説もありますから、誰が言ったのかというのもわかって、こうやってコンテクストも追える、と。これはたしかに新しい報道の仕方だな、と思って、これにヒントを得て「ポリタス」を作ろうと思ったんですね。

池上: いわゆるビッグデータですよね。たとえば今回で言えば、それぞれのメディアが世論調査をやっているでしょう。どこの党が勝ちそうだとか、どのくらいの議席になりそうだということをやっている。それに対して、ネットの世界でそれぞれの有権者がTwitterとかブログでいろいろ言及している意見を見ることによって、世論調査の代わりになるんじゃないかという、そういう試みも行われていますからね。