社長の風景

家具のリフォームやリユースにも取り組んでいます。よい家具は、修理しながら半永久的に使えるのです。

大塚家具 大塚久美子

2013年08月09日(金)
週刊現代
upperline

埼玉県に家具販売店「大塚家具センター」が設立されたのは1969年のこと。総桐箪笥職人だった、故・大塚千代三氏の息子・勝久氏が「よいものを安く」と小さな販売店を出したのだ。以来40年余。「周囲を田んぼに囲まれた倉庫のようなお店」は日本有数の家具店「IDC大塚家具」に成長した。勝久氏の息女、大塚久美子社長(45歳)に聞いた。


家具のリフォームやリユースにも取り組んでいます。よい家具は、修理しながら半永久的に使えるのです。おおつか・くみこ/'68年、埼玉県生まれ。'91年に一橋大学経済学部卒業後、富士銀行(現みずほフィナンシャルグループ)へ入行。'94年に大塚家具へ入社し、経営企画室長、商品本部長、広報部長などを歴任。'05年に広報・IRコンサルティング会社、クオリア・コンサルティングを設立。'09年より現職 ※IDC大塚家具のwebサイトはこちら

無意識に注目

人間の思考や心は、目に映るもの、体で感じるものに大きな影響を受けます。たとえば座り心地のよくない椅子にかけ、快適でない照明の下で話し合えば、友人や商談相手も無意識のうちに「早く切り上げたいな」と思ってしまうものです。逆にソファが心地よければ、読書や映画にも集中でき、余暇の質も上がるはずです。

英才教育?

私が育ったのは1号店の店舗兼倉庫の一角にある住居スペースでした。商売人の娘は意外と大変なのです(笑)。町中の方が「あの子は家具店の娘」と知っているので、いたずらなど厳禁。夏休み、父に「旅行に行きたい!」と言ったら「よし、わかった!」と地方の家具工場へ連れて行かれました(苦笑)。でも、これがよかった。いつしか業界通になっていたんです。

永続性

学生時代に経済学を学び、大学卒業後、銀行へ入行しました。上司が話してくれた「余人をもって代えがたい仕事をしてはいけない」という言葉が心に残っています。もちろん、自分にしかできない個性的な仕事をするのは素晴らしいことです。しかし、自分が異動や退職でいなくなった時、ほかの人に引き継いでもらえなければせっかくの仕事が一過性で終わってしまう。この「受け継いでいく」ことの大切さは銀行だけの話ではない、と感銘を受けました。

歴史

弊社へ入社したのは94年のことです。長い歴史や、使われ方を熟知していなければいけない、と考えてきました。デザインがステキでも、こうすると倒れやすい、などやってはいけないセオリーがあるのです。

再生 秋田木工の社長、瀬戸伸正氏(写真右)と、デザインオフィスnendoの佐藤オオキ氏(同左)を結び付け、新しい家具ブランドを立ち上げた。中央が大塚氏

情報アンテナ

家具のトレンドは時代によって変化します。最近はリビングとダイニングを一つにまとめ、スペースをゆったりと使う「ラウンジスタイル」が人気です。食事のあとリビングへ移動してくつろぐのではなく、ダイニングにゆったりしたチェアを置いて、そのままくつろぐスタイルです。日本の家は狭いといわれますが、家具に工夫をすれば、狭さもカバーできます。そもそも、ヨーロッパの家も狭いところが多いですしね。

こうしたニーズを捉えるには、改まって「いまどんな商品がほしいか」と訊ねてもダメ。普段から家具を思い、家具を語っていると、ふと気付かされたり、お客様から聞き出すことができるんです。

次ページ 職業病 趣味はドラマ鑑賞です。…
1 2 3 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事

最新号のご紹介

underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ