『ジブリの法則』もあきれる非合理性!「増税しないと○○になる」という脅しはウソばかり

株式市場で、アノマリーと言う言葉がある。理論では説明できない株価の動きという意味で使われる。理論は万能でないから、そうした現象もあると思うが、しばしばとんでもない話に出くわす。

8月2日金曜日にジブリの『天空の城ラピュタ』がテレビ放送された。放映時間中に、主人公が滅びの呪文「バルス」をいうときに、大量のツイートがされるので有名だ。ちなみに、先週金曜日は1秒あたり14万3199ツイートを記録し、秒間ツイート数で世界新記録だったようだ。

ジブリ作品のテレビ放映後には株式市場が大変動するという、株式関係者間で「ジブリの法則」といわれているアノマリーがある。

こうしたアノマリーは株式関係者のお遊びなので、統計分析するのは無粋だろうが、ちょっとやってみよう(大学レベルの統計学の教材としていい!)。

ジブリの法則を統計分析してみたら

2008年以降、ジブリ作品は34回テレビ放映されている。放映日の株式終値と翌営業日の株式終値の変動をみると、そのヒストグラム(度数分布図)は以下の通りである。

その比較のために、2008年以降の当日の株式終値と翌営業日の株式終値の変動についても、ヒストグラムをみると、以下のとおりである。1日をみると、株価が上がるか下がるかはランダムな動きになっていて、その分布は正規分布のようにみえる。

二つのヒストグラムは酷似している。統計的に両者の平均や分散をみると、異なっているとはいえず、ほぼ同じだろう。要するにジブリ作品の放映があるかないかからは、1日の株価が上がるか下がるかを予測するのは困難なランダムな動きである。

「ジブリの法則」は株式関係者のシャレだろうが、同じように、「消費増税を先送りすると株価が下がる」という話もあるのには驚いてしまう。市場関係者の話として伝わってくるが、財務省などはそうした話を歓迎しマスコミに広めているのかもしれない。
 


かつては、「増税しないと国債暴落になる」といわれていた。その暴落も10年以上も前からいわれていながら、さっぱり当たらない。暴落論を言い続けてきた人が参院選で当選してまだ言い続けているが、さすがにこれをいう人は少なくなった。

 債務残高が大きくとも政府資産が大きいことや、日本にはまだ成長余力が残されていること(少しまとも政策をすると今回のように成長する)が、国債暴落が起こりにくい理由だ。

それにしても国債暴落があらかじめ分かるならば大儲けのチャンスのはずだが、そうした指摘をする人に限って儲けるチャンスを行使しないのは不思議だ。

あらたな株価暴落論でも、儲けるチャンスを行使できるのに、みすみす逃すのは不思議で、ウソである傍証になる。さらに、「対称性の原則」を使ってもウソを暴くことができる。この原則によれば、消費増税に対する慎重論がでているから株価が下がるのであれば、消費増税に対する積極論が出ていれば株価は上がるはずだ。

であれば、消費増税を内容とする消費増税法案が国会提出された昨年3月30日から国会で成立した昨年8月10日にかけて、株価が高くなるだろう。しかし、株価について、日経平均では昨年3月30日は1万0083円、昨年8月10日は8891円で、国会審議中に1192円も安くなっている。

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