三田紀房『砂の栄冠』に学べ!
高校野球を"興行"の視点から分析する「甲子園研究所」
講義(5)応援で勝つ~ブラバン勝ちを狙え~

『ドラゴン桜』の三田紀房が描くヤングマガジン連載中の"爽やかでズル賢い"本格野球漫画! ある日突然、いつも練習を見に来ていた謎の老人から、「この金で甲子園に行って欲しい」と現金1千万円を託されてしまった高校2年生の新キャプテン・七嶋。この1千万円が七嶋を変える! 手段を選ばずなりふり構わず、時には爽やか球児を演じるために猫もかぶる! 果たして七嶋が率いる樫野野球部は甲子園に行けるのか!?

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「甲子園研究所」
講義⑤ 応援で勝つ~ブラバン勝ちを狙え~

おめでとう樫野、おめでとう七嶋! 見事甲子園を射止めた樫野ナインに次に期待してしまうのは、甲子園での1勝。そのためには応援で勝たねばならぬ。応援こそが勝利への重要な鍵を握ると甲子園通は知っているのだ!

所長 いやー、七嶋はわかってるねぇ。

助手 えっ!? 何がですか?

所長 応援だよ、応援。

助手 応援って、野球に関係ないじゃないですか!

所長 甘い!! だからキミはダメなんだ。高校野球、特に甲子園において応援がどれだけ大切か。これを知らないと強豪校にはまず勝てない。甲子園でミラクルを起こすのはスタンドの力なんだ。

助手 そういえば、2巻でも観客が試合の行方を左右するという話が出ていたような・・・。

歴史に学べ! スタンドの力

所長 そう。過去の甲子園をふりかえってみればわかる。2004年に駒大苫小牧が北海道勢として初優勝したときは、「北海道がんばれ」と関西の人たちもみんな駒苫に肩入れした。駒苫側だけでなく、球場全体のファンが「北海道初優勝」の雰囲気を作り出したんだ。

助手 確かに。あのときは試合前から異様な雰囲気でした。

所長 そうなったのには理由がある。駒苫は毎試合、赤字を出しながらもブラスバンドとチアリーダー、応援の生徒たちを派遣した。さらに、チャンスのときは『駒大コンバット』を演奏。ノリのよさも演出した。

助手 北海道は経費がかかるから、来る生徒の数も限られるし、アルプスの入りが悪いんですよねぇ。だから盛り上がらない。

所長 アルプス に空席があるだけで、相手からは「たいしたことねぇな」と思われる。その時点で負けなんだ。駒苫はそれをノリのいい曲と応援団で「あのスタンド楽しそうだな。行ってみたいな」と思わせた。関西の人もアルプスにつめかけたおかげでスタンドが埋まり、相手への重圧を与えることに成功した。