高嶋の説明によると、小沢は「そこまでする必要はないのではないか」と語ったという。いかにもブレーキをかけたかのように見えるが、幹事長-副幹事長という関係なのだから、小沢が本人から事情を聴くとともに、自分の考え方を説明して話し合うのが筋だろう。第一、副幹事長の人事権は幹事長の権限であり、副幹事長が持っているわけでない。
また、党代表である首相・鳩山は「党の中では一切話さず、メディアに向かって話すのは潔い話ではない」と語り、解任方針を追認した。せめて、「党のことは党に任せてある」と逃げを打てばいいのに、そんな知恵すら働かせない。
この解任劇で得をしたのはおそらく、生方一人だ。スタンドプレイが目立つため、党内では「一匹狼」とみなされていたが、今回の一件で「反小沢の英雄」となった。これに対し、民主党および小沢のイメージはさらに悪化した。
「このところ毎週、地元に帰るたびに有権者の視線は冷たくなって、肌を刺すような感じになっている。集会の集まりが悪くなって、こちらも説明する言葉がなくなった・・・」
こうした民主党議員の苦悩は深まるばかりだ。しかし、小沢は参院選準備に走り回り、マイクを向けられると、無視して急ぎ足で立ち去っていく。もはや、その余裕すらなくなったのか、幹事長を辞めて「院政」を引く素振りはない。
実態は「二階選挙対策局長」
一方、自民党では、鳩山邦夫の離党を機に、「谷垣・大島体制」に対する不満が噴き出した。次の首相にふさわしい人を聞く世論調査で、つねに最下位クラスの2%前後の支持しか得られず「2%総裁」という異名さえとる谷垣の発信力はゼロに近い。大島の党運営は旧態然としている。
1つだけ例を挙げると、西松建設の違法献金事件で政策秘書が略式起訴された二階俊博が昨年暮れ、選対局長を辞任したにもかかわらず、平然と選対に出入りし、参院選の公認作業にかかわっている。大島が選対局長を兼務しているのは形式上のことで、実態は辞任前と変わらない。
こうしたことから民主、自民両党内には不満のマグマが鬱積し、出口を求めてうごめいている。何も起こらなくて、7月の参院選を迎えるとは思えない。
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