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大反響第2弾 わずか7年後、この国はこんなに変わる 第3回 業界別ライバル企業 どこが勝ち残っているか、教えます【商社】【通信】【不動産/百貨店/新聞ほか 】

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商社 第2位へ三菱商事×三井物産×伊藤忠
三菱商事の優位は揺るがず 伊藤忠が躍進して

「過去10年間、総合商社は資源の権益で潤ってきましたが、現在はその構造が崩れてきています。2020年に勝ち組になるためには、資源以外の分野でいかに成長戦略を明確にできるか、その点に尽きます」

 SMBC日興証券シニアアナリストの村上貴史氏はこう断言する。

 2000年頃から始まった"資源バブル"に乗って高成長を続けてきた商社。一方で資源価格の低下や需要減に経営が大きく左右されるため、何度も「不要論」がささやかれてきたが、ここにきて新たな局面を迎えている。今期決算を見ても、表にある大手総合商社は、丸紅を除きいずれも前年比マイナス。今後の成長は、「脱資源」に舵を切れるか否かにかかっているというのだ。

 現在、新たな天然ガス資源としてシェールガスが注目を集めている。日本の各商社も競うように権益確保に乗り出しているが、ここに過剰な投資をすることにも落とし穴があるという。元日本マイクロソフト社長の成毛眞氏が指摘する。

「シェールガス革命は、アメリカにとっては大きなプラスとなりますが、日本企業に恩恵をもたらすというのは幻想にすぎません。他のエネルギー価格の暴落を招き、資源に傾注している商社は苦しくなるでしょう」

 たとえば現在業界2位の三井物産は、資源依存度を昨年よりも下げているものの、78%と依然として高い水準を保っている。

「鉄鉱石や原油などの資源エネルギーへの大きな投資が目立ち、今後のビジネスの軸足も資源に置かれていくように見えます」(ちばぎんアセットマネジメント調査部長・奥村義弘氏)

 つまり、三井物産が今後もその姿勢を貫けば、シェール革命以降に業績変動の大きなリスクを抱える可能性も否定できないわけだ。

 そこで注目を集めるのが伊藤忠商事だ。繊維財閥からスタートした同社は、現在も資源依存度が28%と低く、川下の生活消費産業に積極的に取り組んでいる。

「とくにコンビニのファミリーマートや、伊藤忠食品、日本アクセスなどの物流は安定して伸びている。非資源事業は今後拡大していくはずです」(前出・村上氏)

 伊藤忠商事は、バナナなどを生産する米ドール・フード・カンパニーの青果物・加工食品事業も買収している。この食品事業も、注目すべき分野だという。

「今後、世界的な食糧危機が課題となっていくからです。先日、丸紅が米国の大手穀物商社であるガビロンを約2700億円で買収したことが話題になりました。その結果、丸紅の利益の約2割は穀物などの食糧で占められることになった。丸紅は業界5位ですが、穀物では世界トップを狙えるポジションを築いたと言えるでしょう」(村上氏)

 業界4位の住友商事は、もともと資源依存度は低く、「今後どう資産を入れ替えていくかの検討段階。ここ数年は大きく業績が変わらないだろう」(同前)という。

 では、2020年にはいったいどの企業が最強商社となるのか。

 専門家らの支持が最も高かったのが、現在も業界トップの三菱商事だ。その柔軟性と優れたバランス感覚が、有力視される最大の理由である。数年前から脱資源の流れを読んで非資源分野への投資を強化しており、資源依存度はすでに49%にまで低下させている。

「タイなど東南アジアを中心に、いすゞ自動車の事業などにとくに積極的で、業績を伸ばしています。将来を見極めて資産を入れ替えることで、総合商社ナンバーワンの地位は将来的にも不動のものだと思います」(前出・奥村氏)

 三井物産の今後の舵取り次第では、脱資源に舵を切った三菱商事が独走し、その背中を伊藤忠商事、丸紅が追う—7年後、そうなっているかもしれない。

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