[虎四ミーティング]
仁志敏久(プロ野球解説者)<後編>「二遊間にはリーダーが必要」

二宮: 仁志さんがプロに入ったのは、1996年。日本生命からドラフト2位(逆指名)で巨人に入団しました。社会人時代からプロの即戦力候補でした。
仁志: プロのスカウトからの評価は、僕は、ただ打つだけの選手という感じで守るポジションがないと言うものでした。だからセカンドをやっていた時には、当時コーチだった土井正三さん(故人)がみっちりと教えてくれました。とは言っても、やはり自分で何かをつかもうとしなければ、いくら教わっても成長はしません。自分でつかんだところからが勝負です。

二宮: その前の篠塚利典さんは巧かったですよね。
仁志: 本当に巧かったですね。時々、練習に付きあっていただいたのですが、あの人にだけは絶対に勝てないなと思いました。

二宮: 具体的にどういうところに驚きましたか?
仁志: 篠塚さんはかたちがきれいなんです。かたちの美しさというのは、やはり生まれ持った資質なんですよね。僕は練習をして、なんとかなったという感じなので、どこかしら泥臭さがあるんです。

二宮: 現役時代に篠塚さんと二遊間コンビを組んでいた川相昌弘さん(現・巨人ヘッドッコーチ)は「篠塚さんはどの打球に対しても、バウンドの合わせ方が一定している。あれは生まれ持ったセンスですよ」と言っていました。
仁志: 確かにそうだと思いますね。でも、僕はショートでは川相さん以上の人はいないと思っているんです。打球にグラブを入れる瞬間の動きを横から見て、随分とマネしたものです。

二宮: 篠塚さんといい、川相さんといい、お手本となる人が近くにいると、いい勉強になりますね。技を盗むことができる。
仁志: それはありますね。そういう意味では二遊間コンビって、同じレベル同士ではなく、どちらかがリーダーシップをとらないといけないんです。例えば中日の“アライバ”もそうです。井端弘和だからこそ、荒木雅博もあれだけのプレーができる。福岡ソフトバンクの今宮健太も本多雄一という見本がいるからこそ、成長できているんだと思います。