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勉強はできるけど、仕事ができない サラリーマンの悲哀 あなたの会社にもいますよね ここは学校じゃないことが分からない人たちが
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 学歴社会の日本では、偏差値の高い大学の出身者は就職で有利だ。しかし、勉強ができる人に限って、会社で役立たずのレッテルを貼られていませんか? 彼らに足りないものは、一体何なのだろう。

悪いのは自分ではなく会社

「僕は麻布高校からストレートで東大に入りました。学生時代、勉強はいつも簡単に感じていたし、失敗や挫折をしたこともありませんでした」

 こう語るのは、東京大学経済学部を卒業後、大手証券会社に入社した峰岸一太さん(31歳・仮名)だ。入社当初から、「君はホープだ」と期待されていた。

「1年目の秋、早速あるプロジェクトのプレゼンを一任されました。一人で仕事を任されたのは、同期の誰よりも早かった。自分は期待されているんだと張り切って資料を作りこみ、頭の中で何度もシミュレーションを重ねました。そして完璧に準備をして、本番のプレゼンに臨んだら—。

 次々にダメ出しが入ったんです。想定外のことに、頭の中は真っ白。質問には何一つ答えられず、ヘンな汗が噴き出し、心臓がバクバクしてきて……気づくと、僕は会議室を飛び出していました。自分があの空間で『失敗した人間』と見なされ、嗤われていると思うと耐えられなかった。あれが人生初の挫折でした。僕のプレゼンにケチをつけた人たちに会いたくなくて、1週間無断で会社を休みました」

 プレゼンの失敗はともかく、無断欠勤が許されるわけはない。以降、日の当たらない存在になった峰岸さんは今、遠い目をして言う。

「反省ですか……? 正直言って、反省はしてないですね。僕に能力があるのは間違いないわけで、やっぱりそれを使いこなせない会社に問題があるのかなと。大きな舞台さえ与えてもらえれば、結果を出す自信はあります」