参院選大勝の安倍政権の落とし穴は 慢心と隠され続けてきた「不都合な真実」
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 大方の予想通り、参議院選挙は自民、公明の連立与党の圧勝に終わった。政策実現の障害とされてきた「衆参両院のねじれ」が解消されただけでなく絶対安定多数も確保して、安倍晋三政権は次の衆参両院選挙まで3年間のフリーハンドを獲得した。

 巨大与党の誕生によって、安倍政権は国会運営が容易になり、経済政策の遂行がはかどるようになる。これは、国民が望んだ状況だ。経済面に限れば、安倍首相には、選挙の公約通りにアベノミクスを完成させ、デフレ脱却と成長路線の確立を遅滞なく実現してほしい。
 ただ、落とし穴が二つある。連立与党の内部にとどまらず、政権の中枢にも波及しかねない参院選大勝による慢心と、昨年の政権発足以来、日本経済の屋台骨を揺るがしかねない「不都合な真実」の存在を国民に伝えて来なかったことだ。
 せっかくフリーハンドを得たのだから、是非、2つの落とし穴を埋めて、明るい未来への布石を打っていただきたい。

安倍政権が遂行したい政策を阻むものは何もないはずだが

 21日の参院選の結果、連立与党は、常任委員会の委員長ポストを独占したうえで、かつ各委員会の委員の過半数を確保できる絶対安定多数を衆参両院で確保した。常識的に考えれば、遂行したい政策を阻むものは何もない状況だ。

 安倍首相自身も、21日夜のテレビの開票速報番組のインタビューで、「決める政治、安定した政治の中で経済政策を前に進めていけという大きな声をいただいたと思う。責任を持って政治をしっかり前に進めたい」と決意を述べている。
 今の気持ちを胸に刻んで、着実に実行していただきたい。