「国会の違憲状態」解消こそがカギ!参議院で歴史的圧勝をした安倍首相は「消費税増税延期」に挑めるか
前回を下回る低投票率ではあったが自民党は圧勝した      PHOTO: Bloomberg via Getty Images

 参議院選挙は事前の世論調査の通り、自民党の圧勝だった。たしかにねじれは解消し、衆参ともに自公の安定多数になった。ただし、懸念は今回当選した議員だ。参議院は、タレントか業界代表のような組織候補が多く、与党内で確実に族議員が増えた。彼らは支援してくれた業界の意向に従う。しかも参議院は解散がないので、党と距離を置く独自の存在になりやすい。

 参院選後には、臨時国会がある。今のところ、8月上旬と10月上旬が噂されている。はじめの国会は参院議長の後任選出、次の国会は成長戦略法案のためだ。8月のお盆は国会を開かないという建前と、9月中に内閣改造を行い、その上で準備を十分にして国会に望むというスケジュールだ。

 10月上旬の国会では、産業競争力強化法案、設備投資減税法案、電力システム改革のための電気事業法改正案、内閣人事局設置などの公務員制度改革関連法案などが出される。それらの成長戦略法案とともに消費税増税の是非も議論になるだろう。その際、次の三つのシナリオが考えられる。

財務省が用意する法人税減税と大量のバラマキ

 第一のシナリオは、消費税増税シナリオだ。安倍政権では、4~6月の経済指標をみて、秋にも消費増税について判断する意向を示しているが、景気の良さを背景にして消費税増税を判断する。ちなみに、4~6月期GDP速報は、一次速報が8月12日、二次速報が9月9日に公表される。それにふさわしい内閣改造を行い、衆参の安定多数をバックに、粛々と国会をこなす。

 消費税増税を止めるためには、その国会で消費税凍結法案が成立しなければいけない。野党がそうした法案を出しても、国会審議すらしないだろう。

 実際に与党から消費税凍結法案を出すのは、困難といわざるを得ない。三党合意もあるし、その合意が反故になったわけでもない。参院選でも凍結法案を公約にしていないのだから、常識的には凍結法案を与党は出さないという「判断」になる。

 もちろん筆者は経済への影響のほか、消費税を社会保障目的税とすることの問題や、それが地方分権のキモになる消費税の地方税化を阻害することから、反対の立場である(4月29日付け本コラム)。しかし、実際には増税の地ならしがドンドン進行している現状をみると、この消費税増税シナリオの可能性は、残念ながら高いといわざるをえない

 消費税増税のために、財務省はいろいろな手形を切っている。その一つが、経済界への法人税減税だ。経済界とは、消費税増税、法人税減税で手打ちが終わっている。財務省にとっては、法人税減税も消費税増税のためには「必要経費」だ。しかし、消費税増税と法人税減税では、庶民増税で企業優遇になるので、ちょっと分が悪い。そこで、業界へのバラマキで黙らせるのだろう。

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