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小川和也の「デジタル・ドリブン」
2013年07月19日(金) 小川 和也

小川和也 × 名取良太 【前編】
ネット選挙が可能にする「双方向のコミュニケーション」にはどのような意味があるのか

[左]小川和也さん(グランドデザイン&カンパニーCEO)、[右]名取良太さん(政治学者/関西大学総合情報学部教授)

ネット選挙のメリット・デメリット

小川: ネット選挙に関して、政治学者がメディア等の公の場で発言しているケースはあまり多くない印象なのですが、実際どうなのでしょうか?

名取: 予測や仮説ではなく、分析結果が出てはじめてお話しできる部分が多いですから、選挙結果や意識調査の結果が出ていない段階で発言することには、慎重になっているかもしれません。また、メディアの方々も、小難しそうな数式や数字がダダッと羅列されている論文を読んで、計量政治学者って気難しそうなイメージを持たれているのかな、とも思います。

 そもそも研究者のメインの仕事は論文を書くことで、メディアで発言した数を競っているわけではない、ということもありますが。ただ、現在我々が進めている科研費調査(JESⅣプロジェクト)で、ネット選挙に関して、いくつか興味深い事が明らかになっているので、今回は、それを紹介していきながらお話しさせていただきたいと考えています。

瀬尾: 日本の政治学者のイメージって、中西輝政さんや、そのあとの世代でいうと中西寛さんみたいな方ですね。計量政治学というのは、今回初めて知りました。

小川: 名取さんの専門は、まさに計量政治学で、その中のトップランナーでしょう。

名取: いや、一介のランナーにすぎません。本当のトップは、どんどん欧米に勝負しに行っています。実際、プリンストン大学やダートマス大学といった有名大学で教鞭をとられている方もいらっしゃいますし、日本にいる30代、40代前半の研究者の中にも、欧米の学術誌に論文を載せている方が結構いらっしゃいます。

小川: ネット選挙は、選挙研究者にとって興味深いテーマになり得ますよね。ネットとデータ解析の視点でいうと、今はソーシャルメディアを中心としたWebデータの解析論になっている場合が多い気もします。

 たとえば、Twitterの中で言及された数とか、その内容のネガティブ・ポジティブとの相関なども、ひとつの参考にはなれども、それだけでは選挙運動や政策提言に活かすための材料には事足りない面が多々あると考えています。それを計量政治学者・選挙研究者はどう見ているのか、どういうデータや研究なりが手許にあるのか、関心を持っています。

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