再稼働を前にスキャンダル発覚 昔も今も原発マネーには有象無象が群がっている

『朝日新聞』が、青森県むつ市に建設中の使用済み核燃料中間貯蔵施設をめぐるスキャンダルを、1面トップで連続追及している。

 7月16日付は、貯蔵施設の用地買収資金を西松建設が2億円肩代わり、地権者との交渉を警備会社会長が行っていたというもの。翌17日付は、貯蔵施設の誘致をしたむつ市長(07年に死去)を支援するために、西松建設が1億円を融資していたというもの。
 浮かび上がるのは、歓迎されざる使用済み核燃料関連施設の立地のために、裏ガネを使って地権者や政治家を黙らせる東京電力のテクニックの数々である。

使用済み核燃料最終処分場の不在は原発本体以上の矛盾

 再稼働が既定の路線になったとはいえ、原発本体の安全性について大多数の国民は不安を感じている。でも、電力の安定供給と産業基盤確立のために、認めざるを得ないと思っている国民が大半だろう。
 そして、原発本体以上の矛盾は、使用済み核燃料の処分が決まっていないこと。最終処分場は、どんなに手厚い地元対策を打ち出しても、立地調査に手をあげる自治体がないのが現状で、原発内部のプール内に溜め込んだ使用済み核燃料を、当面、処理するために、「中間貯蔵施設」という名の"避難所"をつくるしかない。

 東電は、ようやくむつ市を説得、中間貯蔵施設の合意を得た。だが、その段階で情報を嗅ぎ付けた勢力が蠢き、そこに反社会的勢力(反社)が加わって、にっちもさっちも行かなくなって、外部の資金と人脈に頼るといういつものパターンで処理した。

 順を追って説明しよう。

 むつ市長が、東電から説明を受けていた中間貯蔵施設の候補地を、支持者だった砂利販売議者に漏らしたのは、1999年のこと。同社の社長は、転売益をもくろんで候補地4ヘクタールを00年5月に買い占めた。

 だが、00年8月、むつ市長が、誘致構想を発表すると、「情報漏洩を疑われる」という砂利販売業者の判断で、東京の環境関連会社に転売した。これが01年1月のことだが、土地の所有権を持つ環境関連会社と、砂利のプラントを持つ会社(最初の所有権者の砂利販売会社がプラントを売却)との間でトラブルとなり、訴訟に発展した。

 こうした騒動のなか、西松建設は親族企業の経営悪化に苦慮していたむつ市長を"救済"するために1億円を融資、7,000万円が焦げ付いている。
 市長の支援は、これで万全だったが、土地の所有権業者やプラント業者との交渉はうまくいかなかった。ともに、オーナーは反社に足場を置く、途方もない買収金額をふっかけてきたという。そこで東電は、当該の土地を買収しなくても済むように、接続道路を含めた青写真を書き換えた。

 ところが、迂回させても別の業者、それも先行取得で買い占めた反社と近い業者が、ダミーとなって土地を取得しており、一時は地下トンネルを構想したという。だが、それも高過ぎて現実的ではなく、西松建設に裏ガネの2億円を用意させた警備会社会長が仲介役となって買収した。中間貯蔵施設を運営する東電関連会社のリサイクル燃料貯蔵が、対象地を買収するのは08年6月で、額面上は約2,000万円だったという。

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