『マンガ 線形代数入門』
はじめての人でも楽しく学べる
鍵本 聡=原作 北垣絵美=漫画

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中高生から読める、線形代数の「超」入門

主人公のゆきえとなみおといっしょに
線形代数の基礎「行列」の考え方・計算の仕方を
宇宙旅行やイタリア旅行をしながら読み解いていく。
はたしてキミは、数学の「怪物」の正体にせまれるか!?

はじめに

 読者の皆さん、ようこそ線形代数の世界へ!
「線形代数って何?」
「どんなふうに使えるの?」
「何を勉強したらいいの?」

 初めて線形代数の教科書を開くと、そこはまさに未知の世界。ノートの罫線2~3行分にもなる巨大物体「行列」は、見かけだけでも強烈です。まさに数学の「怪物」!
 こんな怪物みたいな数式の羅列に加えて、難しそうな用語がどんどん出てくるのも線形代数の特徴です。「可換」「逆行列」「ハミルトン・ケーリー」「一次変換」「固有値と固有ベクトル」などなど、いったい何からどう手をつけたらいいのか、さっぱり見当がつかないという人も多いのではないでしょうか。
 筆者が高校生だった一九八〇年代、「行列」は文系理系にかかわらず高校二年生の数学で学習する必須分野でした。ひと言で言うと、高校を卒業して就職するような高校生でさえも「行列」を勉強したということです。今から考えるとびっくりするような話かもしれません。
 ところがその後の社会事情の変化にともない、一九九〇年代には理系高校生だけが履修するものとなり、二〇一五年に高校を卒業する学年からはとうとう「行列」の単元がなくなってしまいます。要するに、多くの大学生にとっては、大学に入学して「線形代数」の教科書で初めてあの「怪物」のような行列の式と対面するような状況になってきているのです。
 ところが、大学の線形代数の教科書は何も変わらないまま。かつて大学入試で行列の勉強をしてきた学生がやっと理解できるぐらいの内容です。そんな「線形代数」の教科書をいきなり渡されて、さっと理解できるほうがまれかもしれません。多くの皆さんが「線形代数」で苦しんでいるのは、ある意味当然のことなのです。

 ところで「線形代数」は、その名前の通り「線形(linear)」な形をした式を取り扱うための手法です。どんな学問分野においても、線形な現象を取り扱わない分野はないと言っていいでしょう。数式を多用する理工系の学問では当然のこと、文系でも例えば経済学や心理学など統計処理を扱う理論の多くは線形なモデルを扱うものです。つまり、線形代数を勉強せずにいまの社会生活を通り抜ける道は存在しないということなのです。
 本書『マンガ 線形代数人門』は、その名の通りマンガのストーリー仕立てで、線形代数とはどんなものなのかということがおぼろげにわかるように作りました。大学に入ったばかりの新入生だけでなく、「線形代数」とはどんなものなのか勉強してみたい中高生や社会人の皆さんにも、まずは本書を読んでいただけたらと思います。

 実は本書で扱った内符は、大学で学習する「線形代数」というよりは、むしろ旧課程の高校数学で扱われた「行列」の内容がほとんどです。線形代数に入る準備のための内容と言ったほうが正しいかもしれません。ですが、本書を読んでから大学の教科書を勉強すれば、理解度はかなり増すはずです。
 各章の終わりには復習の意味もかねて練習問題をつけてあります。まずは実際に手を動かして解いてみてください。そして答え合わせをして、間違えた問題は理解できるまで何度も解く練習をしていただければと思います。
 それではゆきえとなみおとともに、博土の研究室のドアを聞いてみましょう!
 

原作 鍵本 聡(かぎもと・さとし)
一九六六年兵庫県西宮市生まれ。現在、関西学院大、大阪芸術大学、コリア国際学園非常勤講師。京都大学理学部卒、奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科修了、工学修士。ローランド株式会社(楽器開発)、浜松市の聖隷学園高校教諭、大手予備校数学科講師を経て現職。著書に『計算力を強くする』シリーズのほか、『高校数学とっておき勉強法』『理系志望のための高校生活ガイド』(以上、ブルーバックス)など多数。

漫画 北垣絵美(きたがき・えみ)
関西在住フリーイラストレーター。大阪芸術大学デザイン学科卒業。主に書籍や雑誌で人物イラストを中心に描いて活動中。ウェブサイト⇒「北垣絵美」で検索。
『マンガ 線形代数入門』
はじめての人でも楽しく学べる

原作 鍵本 聡
漫画 北垣絵美

発行年月日:2013/07/20
ページ数:240
シリーズ通巻番号:B1822

定価(税込):945円 ⇒本を購入する(Amazon)
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(前書きおよび著者情報は初版刊行時点のものです)