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友達できない、夫がバカに見える…「勉強できすぎ女子」の孤独と不幸

幸せって何ですか?

頭がいい人は、学生時代は天下を取ったも同然。それは、男も女も同じことだ。しかし、社会に出ると分かってしまう。「頭のよさ=幸せ」という方程式が、女の人生では成立しないということを—。

すぐ会社を辞める

「私は小学校の頃から成績は常に学年1位でした。特に国語が得意で、文学は私の趣味。高校時代には、大好きなボードレールの詩を原書で読むためにフランス語を独学で習得しました。慶應大学文学部に現役で入り、テレビ局に就職。仕事では、どの男性社員よりも結果を残し、毎日とても充実していました。ところが、40歳のときに人生が狂い始めたんです」

 こう話してくれたのは、報道局で18年、仕事一筋で働いてきた永田栄子さん(44歳・仮名)だ。高学歴で、バリバリのキャリアウーマン街道を驀進していた永田さんだったが、人生の転落は突然始まった。

「同じ部署で働いていた年下の男性が、私より先に出世したんです。人事異動の後、大学の女友達で集まって飲んだ時、『男だからって、あんなバカに追い越されるなんて耐えられない』と号泣してしまいました。それまで恋愛に興味がなかったのですが、そのショックで53歳の既婚男性と肉体関係を持ちました。

それからは、3ヵ月おきに違う50代の男性と不倫を続けました。父親のような包容力のある男性に慰めてほしかったんです。それでも、仕事は頑張って続けました。だけど、次の人事異動で、またもや私は昇進せず……。屈辱感からうつ病になり、退職しました。今は実家で療養生活中です」

女子の大学進学率は年々上昇している。内閣府の調査によると、平成23年度の女性の大学進学率は56・2%。難しい試験を突破し、一流大学の門をくぐる才女たちも多い。

彼女たちは在学中、思う存分勉学に打ち込み、見聞を広げる。だが、「勉強が一番大事」と信じて少女、青春時代を過ごした彼女たちは、その後社会に出て幸せになっているのだろうか。高学歴女子の本音を探っていくと、「勉強ができすぎるゆえの不幸」の実態が見えてきた—。

例えば、冒頭で紹介した永田さんのように、社会に出て初めて挫折し、「屈折」してしまうケースは少なくない。東京大学の大学院まで出た小島萌さん(31歳・仮名)もまた、初めての挫折に泣いた一人だ。

「私は帰国子女なので、海外部門に力を入れているベンチャー系の旅行代理店に就職。海外旅行のパックの企画や航空会社・ホテルと契約を結ぶ営業に配属されました。仕事は面白く、東大卒だからと、1年で係長にまで昇進(笑)。

ところが、私が2年かけて企画したアジアのツアープランがまったく人気がなく、あっという間に潰れてしまったんです。ショックで、その数日後に会社を辞めました。だって、『失敗した人』というレッテルを貼られるのが本当に不快だったから……。

今は旅行ライターになりましたが、フリーは学歴が全く関係のない社会。仕事がなく、親からの仕送りで暮らしています」

恋人を奪われる

プライドの高さゆえ、失敗そのものではなく、「失敗した自分」が受け入れられない。名門・桜蔭高校から東大教養学部へ進んだ太田咲さん(26歳・仮名)も、みずからの「屈折」してしまった経験を語る。

「私の両親は、二人とも有名大学の教授です。彼らの勉強至上主義の姿勢を見て、『アカデミズムはくだらない、普通の東大女子のように大企業に入る人生のレールには乗りたくない』と考えるようになりました。

そこで、学生時代はあえて東大のアドバンテージと無関係な居酒屋のバイトに打ち込み、熱中しすぎて留年。卒業後は、その居酒屋チェーンを経営する会社に就職しました。その会社は、はっきり言って『ブラック企業』です。

激務かつ、残業代も皆無。それでも、私は他の人と違う茨の道をあえて進んだのだと、心から誇らしく思っていた時期もありました。今も、周りには『後悔していない』『仕事は楽しい』と言っていますが、最近は将来への不安の方が大きい。外資系の企業や中央官庁で華やかに働いている同級生が来るOB会には、顔を出しません。惨めな気持ちになるからです」

親への反発であえてエリートコースを外れてみたものの、心の奥底に潜む親譲りのエリート意識が彼女を苦しめる。

高学歴女子は往々にして孤独だと語るのは、東大文Ąに入り、大学院まで進んだ姉崎恵子さん(30歳・仮名)だ。彼女もまた、神童ともてはやされてきた。