バーナンキの発言に右往左往する金融市場
〔PHOTO〕gettyimages

 7月11日、バーナンキFRB議長は、全米経済研究所主催の講演で「米国経済の状況を考えると、現在の金融緩和策が必要」という趣旨の発言を行った。金融市場は、今回のバーナンキ議長の発言を、それまでの金融緩和策縮小の時期を後ずれさせるものと解釈したようだ。

 そのため、米国株は、金融緩和策継続の感触から、大きく買い込まれた。一方、為替市場では、金融緩和策縮小時期の後ずれを懸念してドルが売られ、円などの通貨に対して弱含みの展開となった。

 そうした状況を見ると、5月下旬の同議長の金融緩和策縮小に関する発言以降、米国や我が国、さらには新興国の株式市場が大きな振れ幅を示した。為替市場でも、米国の金融緩和策縮小時期に関する観測で、大揺れする展開となっている。

分かりにくいバーナンキ議長のシグナル

 通常、バーナンキ氏に限らずFRBの議長は、金融市場に対し、様々な発言を通して、FRBの基本スタンス等を伝えるシグナルを送っている。今回の金融緩和策に関する一連の発言も、そうしたFRBのシグナルの一つとみて間違いない。

 問題は、今回のバーナンキ議長のシグナルが分かりにくいことだ。5月22日の議会証言で、同氏は初めて金融緩和策の縮小に関する具体的な発言を行った。それに続き、6月19日の記者会見では、具体的なロードマップとも言うべきスケジュールについて言及した。

 そのスケジュールによると、年内に資産買入れ枠850億ドルの縮小を開始し、2014年半ばまでに金融緩和策を打ち止めにするという。金融市場は、その発言によって、今年から来年にかけて、緩和策の縮小が現実のものになるとの見方を強めた。

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