スポーツ

ザ・スカウト——プロ野球伸びる選手
伸びない選手「ここが違います」

無名時代から彼らの才能を見抜いていた人びと ロッテ・西野、西武・十亀、広島・菊池ほか

2013年07月22日(月) 週刊現代
週刊現代

 昨年2位指名で広島カープへと入団し、超人的な身体能力でセカンドを勝ち取った菊池涼介(23歳)。菊池がスカウトの目に止まったのは、大学2年生の頃。菊池を見出した広島カープスカウト・松本有史氏は、その第一印象をこう語る。

「忍者だと思いました。当時はショートを守っていたんですが、センター前に抜ける当たりを飛びついて捕球し、膝をついたままファーストに矢のような送球をしたんです。走塁でも、ジャンプしてタッチをかいくぐったりと、予想を超えるプレーをしていた。8年スカウトをしていて、プレーを見て鳥肌が立ったのは菊池が初めてでした」

 プロ入り後は、エラーが目立ち、三振も多い。だが、松本氏は「心配いらない」と言う。

「プロで通用する技術面は、いま学んでいるところです。『初めて教わりました』と本人もよく言っていますよ(笑)。それに、性格も超がつくマイペースでミスをしても全く気にしないんです。一度、エラーの直後にホームランを打って野村監督から『あいつだけはわからん』と言われていましたよ。

 菊池はまだ実力の半分の力も出せていません。バッティングも、この選手が2000本安打を打てなければ誰が打つのかなというほどの能力を持っています」

人の言うことを聞く

 菊池が本来の力を発揮しきれていないことには、大学時代の「ある事情」が影響していると、中京学院大学監督・近藤正氏が言う。

「菊池は大学4年間、野球部に所属しながらアルバイトをやり通しました。余裕のある家庭ではなかったんですね。練習が終わるとすぐにバイトに行っていました。時給700円くらいのパチンコ屋さんでしたが、『賄いの食事が出るのでわりがいい』と努めて明るく言っていました」

 大学での練習時間は足りなかったのかもしれない。だが、その分、いまスポンジが水を吸うように菊池は技術を習得している。

「マイペースだけど素直。そういう選手は伸びるんです」(松本氏)

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