参院選「アベノミクスは、この秋からが見もの、そして、来春が正念場」「既得権と闘えるのは誰か」ほか
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1.選挙の争点がないと言うが

 参議院選挙が迫ってきた。多くの方々に、誰に投票しようか、どの政党に入れようか、なかなか決められない、どうすればいいでしょうか、などと聞かれることが増えてきた。

 そういう悩みは確かに良く理解できる。政党の言っていることが、実にわかりにくい。
というよりも、その場その場で、ニュアンスを変えて話す政治家が多いので、わからない方がむしろ自然だ。人によって、同じ人の言うことでも受け止め方がかなり変わってしまうのではないかと心配になることも多い。しかし、そういう政治家を作ってきたのも私たち国民の責任だ。

その1:アベノミクスは、この秋からが見もの、そして、来春が正念場

【既得権と闘う成長戦略が待ったなし】
 今のところ、アベノミクスは順調なように見える。アホノミクスなどと思い切り批判する人もいるが、少なくとも、第一弾の金融緩和で大幅な円安になり、株が上がって、いくつかの業種や一部の富裕層などを中心に確実に、リアルエコノミーに良い影響を与えていることは確かだ。輸出企業は、とりあえず、何もしなくても円での手取りが増えるので、とにかく儲かるし、観光業なども円安で日本への旅行が割安になるから確実に観光客が増えて儲かる。

 さらに、観光客が増えれば、家電量販店をはじめ物販、飲食にも好影響がある。輸出企業などでボーナスが増えれば、それが消費につながり、国内向けの産業にも恩恵が広がる。

 そもそも、何もしなくても、昨年の11月か12月ごろには景気は底を打っていて、年明けからは景気は回復する流れだったところに、円安と、さらに、第二の矢と称して、公共事業のバラマキをやっているので、これからしばらくは、どうやっても景気はよくなるはずだ。

 不確定要因である米国景気も、量的緩和からの出口を模索しながら、そのショックを何とかこなして行けそうな感じが出てきている。中国経済の方は、まだ不安だが、米国経済が良くなれば、中国も何とかなりそうだし、仮に何らかのショックがあっても、米国の牽引力で相殺され、それほど深刻なことにはならないだろう。

 問題は、これがどこまで続くかだ。・・・・・・

その2.既得権と闘えるのは誰か

【安倍総理は既得権と闘わない】
 既得権と闘う成長戦略を出せるか、そして、痛みを伴う改革を実行できるかということを各党の公約から見てみると、必ずしもはっきりしない。

 この点を最も強く主張しているのは、みんなの党と維新の会だ。他の政党は、そもそもそういう視点を打ち出していない。民主党は、党内にいろいろな考えの人がいるが、選挙公約を見る限り、バラマキはするが、痛みを伴う改革には全く及び腰だ。公明、社民、共産、生活、みどりも基本はバラマキにしか見えない。

「闘う」という点では、みんなの党が元祖だと言ってよい。自民党を離党した時の渡辺喜美代表の大義は、自民党の下では行革、公務員改革、規制改革ができないということだった。既得権と闘うということがDNAに組み込まれていると言ってもよいだろう。とりわけ、同党が地方に行っても、農協解体などという公約を堂々と語っているのがすごい。

 維新の会の橋下共同代表も、この選挙では既得権と闘うことを前面に打ち出している。ただ、太陽の党のメンバーは既得権と闘うような議員ではないのは、私は様々な体験を通じて知っている。だから、言葉でいくらいいことを言っても、党としてどこまでやってくれるのかは、正直言って信用できないなと思ってしまう。片山虎之助議員が農協や医師会や電自連と闘っているというのはどうしても想像できないのである。あとは、橋下氏の手腕にどれだけ期待できるかということになるだろう。・・・・・・