[BCリーグ]
群馬・川尻哲郎コーチ「後期優勝へ、土台づくりに手応え」

スポーツコミュニケーションズ

実力発揮のための課題

 一方、前期は実力が発揮できなかったのが抑えの清水信寿(豊田西高-中京大-エイデン愛工大OB BLITZ-三重スリーアローズ)です。1年目の昨季は、リーグ2位タイの12セーブを挙げる活躍をした清水ですが、今季はスピードを求めすぎるあまり、身体に力が入って腰が開いてしまうのです。そのため、得意のカットボールのキレもありません。

 また、もう少し抑えとして必要な野球の知識を身に付け、メンタル面での成長が欲しいところです。例えば、3点リードでマウンドに上がった場合、ひとりくらいランナーが出ても、それほど気にする必要はありません。バッターに集中して打ち取ることが最優先です。ところが、そこで一生懸命に牽制球を一塁に送るのです。それでピッチングのリズムを崩したり、バッターへの集中が半減してしまうことの方がピンチを拡大させてしまいます。もちろん、1点差だったりした場合は、また違った気配りや集中が必要です。こうした野球の知識を身に付けることも、自分のピッチングを取り戻すことにつながるはずです。

 昨年7月、ケガの治療に専念するためにチームを離れた堤雅貴(高崎商業高)が6月に復帰しました。1年目の2009年には最優秀防御率(1.99)をマークし、チームの大黒柱としてリーグ初優勝の立役者となるなど、実力は証明済み。堤自身も早く投げたいという気持ちがあったのでしょう。久々の実戦にもかかわらず、なかなか腕が振れています。しかし栗山同様、体重移動に課題があり、ボールが甘く高めに入るのです。まずはフォームを修正し、後期は先発ローテーションの一角に入ってきてもらいたいと思っています。

 後期で確実に優勝をするための土台づくりには、しっかりとした手応えを感じています。やはり前期に4勝7敗1分と負け越した新潟戦がカギを握ると思いますので、新潟戦にどんどん調子のいいピッチャーをつぎこんでいくつもりです。前期のような安易なミスをすることなく、投手を中心とした安定した守備力で優勝を目指します。

川尻哲郎(かわじり・てつろう)>:群馬ダイヤモンドペガサスコーチ
1969年1月5日、東京都生まれ。日大二高、亜細亜大、日産自動車を経て、94年にドラフト4位で阪神に入団。2年目にプロ初勝利を挙げると、翌年には自己最多の13勝(9敗)をマーク。98年5月26日の中日戦で史上66人目となるノーヒットノーランを達成し、同年オールスターゲームにも出場した。2004年に近鉄に移籍し、翌年には楽天へ。05年シーズン限りで現役を引退した。13年より群馬の投手コーチを務める。
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