テレビのヨミカタ
2013年07月10日(水) 高堀 冬彦

民放では久しくなかったビジネスマン向けドラマがスタート! 7月期作品中、図抜けて面白い『半沢直樹』

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TBS日曜劇場『半沢直樹』公式HPより

 7月期ドラマの一部がスタートした。力作ぞろいだが、TBSの日曜劇場『半沢直樹』が図抜けて面白い気がする。

 熱血漢の銀行員・半沢直樹(堺雅人)を主人公とし、メガバンクの内幕をリアルに描いた作品。F1層(20~34歳の女性)向けの作品が幅を利かせる中、サラリーマン社会の悲哀や醜悪な部分を見せつける。こんなドラマがゴールデンタイムで放送されるとは、画期的だ。「会社って、そうなんだよな」とうなづきながら見たビジネスマンも少なくないのではないか。

 しかも脚本(八津弘幸氏)が巧みだから、エンターテイメント性も十分。原作は直木賞作家の池井戸潤氏。過去にも、土木業の談合を描いた『鉄と骨』や自動車メーカーの横暴ぶりを指弾した『空飛ぶタイヤ』を発表し、ともにビジネスマンらの賞賛を浴びている。

 『空飛ぶ---』は快作だったが、三菱自動車のリコール隠しなどをモチーフにしていたため、スポンサーの手前、地上波ではドラマ化不可能とされていた。その間隙を突くように、4年前にWOWOWがスペシャルドラマ化すると、ATP賞などの各賞を総ナメにしている。

 地上波にとって、スポンサーは自動車メーカーだけでなく、メガバンクもそうだから、ドラマ化には勇気も要ったことだろう。伊與田英徳、飯田和孝の両プロデューサーら制作陣に拍手を送りたい。これぞ視聴者に望まれていたドラマ、いや、視聴者に提供すべきドラマだろう。

 今年1月から2月に放送されたNHKのスペシャルドラマ『メイドインジャパン』も電機メーカーの内幕物だったが、残念ながら、やや甘口だったし、メーカーの実態を十分に表現しているとも言い難かった。NHKが出来なかったことを、TBSがやり遂げた形だ。

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