サッカー
スペイン代表がコンフェデ杯で見せた「真のプロフェッショナリズム」
〔PHOTO〕gettyimages

 6月30日に終了したコンフェデレーションズカップは、開催国ブラジルが優勝を飾りました。NHKの解説で現地入りしていた私は、開幕戦からスペインやウルグアイをフォローしました。ゲームはもちろん、練習や記者会見にも、可能な限り足を運びました。

 決勝戦は、ブラジル対スペインでした。おそらくは、全世界のサッカーファンが待ち望んだカードだったでしょう。

スペインがブラジルに敗れた四つの理由

 私自身は、戦前からスペインの劣勢を予想していました。理由は四つあります。

①得点力不足
②日程の厳しさ
③会場の不利
④得点パターンの不足

 スペインと言えばポゼッションサッカーが連想されますが、ボールを保持することと得点力は、必ずしもイコールではありません。昨年7月のユーロ2012(欧州選手権)の決勝戦以降を振り返ると、僅差のゲームが少なくないのです。イタリアとの準決勝も、両チーム無得点のままPK戦で辛くも勝利していました。

 また、日程の厳しさもありました。決勝戦で対峙したブラジルに比べると、試合と試合の間の休養が1日少なかったのです。ブラジルが中3日で決勝戦を迎えたのに対して、スペインは中2日でした。しかも移動がありますので、実質的には1日しかトレーニングができません。

 もうひとつ付け加えておきたいのが、試合会場の違いです。ブラジルの試合会場が比較的涼しい都市ばかりだったのに比べて、スペインは厳しい暑さにも直面しました。私自身がスペインに帯同したので良く分かりますが、移動と暑さの連続はかなりこたえました。心身ともにタフなスペインの選手たちでも、今回の大会は相当にハードだったと思います。

 ボールは保持できるものの、相手を崩しきることができない。そうした試合で重要なのは、コーナーキックやフリーキックなどのリスタートです。内容的には満足できないゲームを、ワンチャンスを生かしてモノにする。長期の大会で必要な試合運びですが、スペインはリスタートを得点に結びつけることができませんでした。

 これは日本代表にも共通することですが、自分たちのサッカーを追いかけることは、ときに非現実的な戦いにつながりかねません。連戦や移動によって疲労が蓄積すれば、自分たちらしいサッカーをすることは難しくなります。それでも勝利をつかむには、リスタートに活路を見出すといった柔軟な戦い方が必要です。暑さが厳しいゲームでは、カウンターアタックを有効活用した省エネのサッカーも有効でしょう。

 来年のワールドカップは、今回のコンフェデレーションズカップと同時期に開催されます。勝ち上がれば移動が増え、日程も厳しくなります。良いプレーを阻害する要因がどんどん増えていくなかで、結果を残さなければなりません。そのためにも、得点するための手段を使い分けながら勝利をつかんでいく「大人のサッカー」を、日本代表には身につけてほしいものです。

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