自民党の公約のボロも攻めきれず!?アベノミクス批判で二極化する各党の経済政策を検証する
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 参院選の争点は、経済政策でアベノミクスの是非になっている。

 自民党公約の経済政策について、「アベノミクスの「3本の矢」を一体的に推進するとともに、「経済再生と財政健全化の両立」に向けた取組みを通じて、デフレからの早期脱却とともに、持続的成長への道筋を確かなものにします」、「今後10年間の平均で、名目GDP成長率3%程度、実質GDP成長率2%程度の成長実現を目指します」と書かれている。

 連立の公明党は、具体的な数字を上げていないものの、アベノミクス推進の立場である。

野党の金融政策への主張

 アベノミクスに対して野党の意見は二極化している。第一の矢である金融政策について、民主党の海江田万里代表は「打ち上げ花火。物価が上昇している品目をあげたらきりがない」、共産党の志位和夫委員長は「アベノミクスは国民の所得を奪う『毒矢』ばかりだ。アベコベミクスだ」、生活の党の小沢一郎代表は「物価高によって、国民の生活は苦しくなっている」、社民党の福島瑞穂党首は「物価は上がっても給与は下がっている」、みどりの風の谷岡代表は「資本主義の社会では、お金は低いところから高いところに流れがち」とアベノミクスに批判の立場だ。

 他方、日本維新の会、みんなの党は第一の矢に賛成で、さらに公約で日銀の目的や責任を明確化するため「日銀法改正」まで言及している。

 これらの主張を検証するために、アベノミクスの金融政策を整理しておこう。
アベノミクスのうち第一の矢である金融政策については、過去のデータからシンプルな数学的表現をすることができる。以下の「金融政策の波及効果」は、これまでの本コラムで書いてきたことである。

 このうち、数量的な関係がクリアなものを選んだのが「マネーの効果」である。これも本コラムで書いてきたことをまとめている。マネタリーベースを増やすと、予想インフレ率が高まり、実質金利を下げ実体経済に影響がある。これを簡単にいえば、マネーストックが高まると、2年後のインフレ率、賃金上昇率、失業率、名目GDP成長率がほとんど決まるというわけだ。

 野党のうち労働者の立場に立つべき、民主党、共産党、社民党などの政党が、金融政策に反対するというのは世界中を見ても日本だけだろう。欧州の労働・社会主義政党は、雇用の確保のために金融政策を活用すべきとの主張を歴史的にしてきている。というのは、インフレ率と失業率の逆相関を示す「フィリップス曲線」が示すように、金融緩和は失業率の低下をもたらし、労働者のためになるからだ。

 ちなみに、今のアベノミクスの金融緩和によって、「マネーの効果」によれば、2年後の失業率は3%半ばまで低下する。同時に、マイルドインフレになるので、賃金上昇率はインフレ率2%を超えて3%程度まで高まるだろう。小泉政権時代の例を挙げて、賃金が上昇しないと主張するが、デフレ脱却していなかった時なので反論になっていない。

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