米国の金融緩和策が縮小される可能性―ドル高をサポート
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 7月5日に発表された、注目の米国の非農業部門の雇用者数は、予想を大きく上回る前月対比プラス19万5千人となった。事前予想がプラス16万5千人程度だったことを考えると、今回の数字は米国の労働市場の回復が順調であることが分かる。

 この数字を見て多くの市場関係者は、FRB(連邦準備理事会)の金融緩和策=QE3の縮小が早まる可能性を感じ取っただろう。市場関係者の一部には、早ければ、9月にQE3の縮小が開始されるとの感触を持ったようだ。

 米国の金融緩和策が縮小されると、米国の金利水準が上昇して日米の金利差が一段と拡大することになる。そうなると、ヘッジファンドなどは金利差を使った、円売り・ドル買いの円キャリートレードのポジションを作る可能性が高く、ドル強含み・円弱含みの展開になることが予想される。

米国の金融緩和策縮小は織り込み済み

 今回の米国の雇用統計発表に関して最も注目すべき点は、予想を上まわる数字が出たにも拘らず、米国の株価が上昇したことだ。今までは、予想以上に良い数字が出ると、金融緩和策の縮小を懸念して株が売られた。

 ところが、今回は、労働市場の回復を示す数字が出て、金融緩和策の縮小が連想されたにも拘らず、本格的な景気回復の期待から株式が買われ、ニューヨークダウ平均株価は100ドルを超える上昇をしめした。

 株式市場の反応は、投資家が金融緩和の縮小があっても、米国経済がしっかり回復基調を続けることが出来るとの感触を持っていることに他ならない。ということは、金融市場は米国の金融政策変更の懸念を織り込んだと言える。

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