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大反響企画 第2弾 年金制度廃止こう考えよ 準備したものだけが生き残る

 すでに破綻しているのに、小手先の改案で、またもや延命措置をしようという。抜本改革はどこへやら。国がそんな体たらくなら、自分の生活は自分で守るしかない。今から「年金廃止後」に備えよう。

どうすれば損しないのか

「もともと、年金制度が始まった頃の平均寿命は65歳ほどで、60歳から支給しても5年ほどで支給は終わる設計でした。人生最後の5年間くらいは国で面倒をみようという考え方です。

 ところが今は、平均寿命が男性で約80歳、女性で約86歳まで延び、国が20年以上も年金を支給しなければならなくなった。設計時と大きく状況が変わったわけですから、今のままの制度でもつはずがありません。

 現状の年金制度はなくしたほうがいいと思います」(作家の橘玲氏)

「少々厳しい指摘かもしれないですが、今の年金などの社会保障改革は、『最後は突っ込んで玉砕する』戦争と同じ。長期での給付と負担の姿を検討せず、その場しのぎの微修正で、当事者たちが、『あとは野となれ山となれ』の感覚でやっているように感じます。

 実際、社会保障費を抑えず、'17年に一気に消費増税を行うと、その最終税率は33%に達します。5年遅れで'22年に消費増税を行うと、その間にも、国の借金が増加するので、税率は37%に達するという試算もあるんです」(法政大学准教授の小黒一正氏)

 本誌先週号で報じた、日本の年金制度はいっそ廃止すべきだという意見は大きな反響を呼んだ。年金積立金は20年以内に枯渇し、財源を賄おうにも消費税を8%に上げる程度では、年金は到底もたない。

 もちろん、年金の支給開始年齢を引き上げたとしても—。

 今年度から厚生年金の支給開始年齢が引き上げられた。基礎年金(国民年金、および厚生年金の定額部分)と同様、厚生年金(報酬比例部分)も65歳までの段階的な引き上げが始まったのである。しかも、国は支給年齢のさらなる引き上げを検討している。

 長年保険料を払い続けてきて、ようやく年金をもらえると思ったのに、今度は歳を取るごとにもらえる時期が後ろにズレていく。破綻することは確実なのに、条件を国民にとって不利なように少しずつ変えながら、〈支給開始年齢の引き上げ〉、〈保険料率の値上げ〉、〈支給額の減額〉と、問題を先送りにしているだけ。

 これでは、壮大な国家的詐欺である。

 それでも、条件を下げて制度が維持できるならいいが、焼け石に水であることは論を俟たない。少子高齢化が急速に進み、専門家たちが予測する未来は暗い。

 明治大学教授の加藤久和氏が〈保険料率の値上げ〉の限界を語る。

「厚生年金の保険料率引き上げは'17年度まで続き、標準報酬月額の18・3%までになりますが、それではとてもじゃないけれど足りない。今の水準を維持するのであれば、早いうちに25%ぐらいまで上げていかないと間に合いません」

 また、経済アナリストの森永卓郎氏が〈支給額の減額〉を語る。

「現役世代は、今の水準の年金が支払われるなどと期待してはいけません。その『3分の2』を想定しておかなければいけないのです。厚生年金のモデル年金はひとりあたり月額約16万円ですが、これよりも低い額しかもらえないことも覚悟すべきです」

 一般の人で年金制度を完全に理解している人などごく少数だろう。それこそ、複雑な計算式を用いて理屈をこねまわし、つぎはぎだらけの制度にした年金官僚たちの〝戦略〟でもある。

 そして、年金制度を廃止したら大変です、制度を続けるためには我慢が必要ですよとの脅しには、どうせ国民に細かいことは理解できないだろうという傲慢な考え方が透けて見える。

 難しくてよくわからないからといって、お上の言いなりになる必要はない。年金制度なき後、どうやって老後の生活を守るべきか。ごくシンプルに考えればよいのである。

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