[MLB]
杉浦大介「MVP、サイ・ヤング賞、新人王は?」

~2013年前半戦総括~

ハイレベルなMVP争い

ダルビッシュにもサイ・ヤング賞争いに加わるチャンスが残っている。Photo By Gemini Keez

 ニューヨークのシティ・フィールド(メッツの本拠地)で行なわれる今年のオールスターゲームまで、もうあと2週間――。今季前半戦では意外な選手の活躍、新星の台頭が相次ぎ、多くのファンを喜ばせるシーズンになっていると言って良い。そこで今回は前半戦のMVP、サイ・ヤング賞、新人王を独自に選定し、ここまでを振り返っていきたい。

【MVP】
ア・リーグ ミゲル・カブレラ(タイガース/打率.364、26本塁打、85打点)
ナ・リーグ ヤディアー・モリーナ(カージナルス/打率.347、6本塁打、44打点)

 完全開花を遂げたクリス・デイビス(オリオールズ/打率.324、32本塁打、83打点)は6月29日のヤンキース戦で2本塁打を放ち、この時点で両リーグ最速での30本塁打到達を果たした。82戦目での大台到達は史上5番目のスピード。一昨年まではメジャーではなかなか結果を残せなかった一発屋の大ブレイクは、上半期最大のサプライズとなった。

 そうはいっても、ア・リーグではそのデイビスの存在が飛び抜けているというわけではない。ミゲル・カブレラ(タイガース/打率.364、26本塁打、85打点)は打率、打点、出塁率、OPS(出塁率+長打率)、WAR(勝利への貢献度)といった多くの項目でデイビスを上回っており、こちらのほうがMVPにふさわしいという声も多い。

 散々迷った末に、ここではカブレラを上にしたが、差はごくわずか。この2人のペースが落ちた場合には、マイク・トラウト(エンジェルス/打率.314、13本塁打、20盗塁)、ダスティン・ペドロイア(レッドソックス/打率.322、出塁率.404、13盗塁)が浮上しても不思議はない。メジャー史に残るハイレベルなMVP争いに発展していく可能性もある。 

攻守両面を兼ね備えたモリーナはセントルイスの顔になった。

 ナ・リーグではモリーナの総合的な貢献度が他の選手たちを上回っている。かつては「典型的な守備型捕手」と評されたモリーナだが、3年連続でOPSを引き上げ、今季は首位打者争いトップを快走中。強肩を含めた守備力も健在で、チームもナ・リーグ2位の好成績なのだから文句はない。

 続くのはバスター・ポージー(ジャイアンツ/打率.312、12本塁打、48打点)だが、過去3年で2度も世界一となったチームが今季は西地区最下位に低迷中。その他、ポール・ゴールドシュミット(ダイアモンドバックス/打率.302、20本塁打、69打点)、カルロス・ゴンザレス(ロッキーズ/打率.295、23本塁打、62打点)、ジョーイ・ボット(レッズ/打率.323、14本塁打、OPS.943)といった候補たちはややインパクトに欠ける。カージナルスが急降下でもしない限り、モリーナが本命であり続けそうだ。