外務省が情報収集に苦戦する米中首脳会談 そこでは何が話し合われたのか
昨年2月にも会談を行っていた[Photo]Bloomberg via Getty Images

「日本の外交官はいま、米カリフォルニアで2日間計8時間に及んだ米中首脳会談の中身を懸命に探っている。関係者の口は堅く、情報収集に苦戦している。(後略)」---。

『朝日新聞』特別編集委員の星浩氏が同紙(7月4日付朝刊)「座標軸」に掲載したコラムの書き出し部分である。同氏は「優先順位を明確にして政策の全体像を示す。その力を競う選挙である。」と同記事を終えているように、参院選公示日のタイミングに合わせて書いたものだ。

事前合意の日程になかった「散歩会談」

 が、筆者が問題視したいことは、星氏が指摘した「米中首脳会談の中身」である。
 中国の習近平国家主席(中国共産党総書記)が米国西海岸カリフォルニア州パームスプリングス郊外の保養施設「サニーランズ」でバラク・オバマ大統領と会談したのは、6月7、8日の2日間に何と4回であった。
 第1回首脳会談は、7日午後に約2時間、オバマ、習近平両首脳以外に米側から6人、中国側から6人が同席して行われた。同日夜は約1時間45分、両首脳出席のもと夕食会が催された。

 ところがその後、米側は中国側に対し8日午前の第2回首脳会談前に事前合意の日程になかった「散歩会談」を提案し、通訳のみを交えたトップ会談が約30分行われた。第2回首脳会談は、同席者のメンバー入れ替えがあったが、やはり米中両サイドから各6人が参加して、約2時間行われた。

 第1回首脳会談の同席者は、以下の通り。

米側:ジョン・ケリー国務長官、トム・ドニロン国家安全保障担当大統領補佐官(当時)、ロブ・ネイバース大統領次席補佐官(政策担当)、マイケル・フロマン大統領次席補佐官(国際経済担当・現USTR代表)、ダニエル・ラッセルNSC(国家安全保障会議)アジア担当上級部長(現国務次官補・東アジア太平洋担当)、エバン・メディロスNSC中国部長(現アジア担当上級部長)

中国側:王滬寧・中央政策研究室主任、栗戦書・中央弁公室主任、楊潔チ・国務委員(外交担当)、王毅・外交部長(外相)、鄭澤光・外交部部長代理(北米担当)、崔天凱・駐米大使。

 第2回首脳会談同席者は、中国側が栗戦書氏から劉鶴・中央財経領導小組主任に変わっただけで、米側は同一メンバーだった。

 冒頭に紹介した「情報収集に苦戦している」というのは、実は在米日本大使館(佐々江賢一郎駐米大使・1974年外務省入省)が米中首脳会談終了後1週間経てやっと2回の首脳会談同席者の名前を掴んだことを指している。
 いや、星氏が「いる」と現在形で書いているように、外務省(斎木昭隆外務事務次官・76年)は依然として情報収集に苦戦しているのだ。

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