中国
中国ビジネスはまだまだ儲かる!?  『中国経済と日本企業2013年白書』にみる、日系企業の傾向と今後の動向

 先日、『中国経済と日本企業2013年白書』が完成した。これは、中国日本商会に所属する日系企業のうち8331社が、中国で直面している課題とその分析、解決方法の提言などをまとめた「白書」である。中国政府への建議書と呼んでもいい。

 中小企業まで含めると、中国で活動している日系企業は、2万2790社(2011年末調査)に上る。ということは、約3社に1社が、この「白書」に協力していることになる。特に大手企業は、ほとんどが協力企業である。

 中国日本商会は、2010年以降、JETRO北京に事務局を作って、毎年「白書」を出している。そもそもは、アメリカやEUが同様の「白書」を作っていて、それが中国での企業活動の改善につながっているとの判断から始めたものだった。私も北京で勤務していた時代に、2011年版と2012年版のコンテンツ部分の執筆をした。

 「白書」は、日本語と中国語で並記されているのが特徴で、これを中国の中央・地方政府の役人たちに配ると、日本側の要望が一目瞭然というわけだ。

 昨年秋以降、反日デモが続いたりして、日系企業が未曾有の危機に直面した。そのため、今年の計366ページにわたる提言は、とりわけ注目に値するものだ。「共通課題・建議」「各産業の現状・建議」「各地域の現状・建議」の3部構成で、全28章、52の建議項目から成っている。

日本企業はいまだに積極果敢に攻めている

 この「白書」を見ると、昨年後半のあれだけ強烈な反日デモや日本製品のボイコット運動などにもかかわらず、日本企業が中国にしがみついている様子が、はっきり分かる。換言すれば、「それでも中国は儲かる」ということだ。

 例えば、2012年の日本企業の対中投資は、前年比16.3%増の73億8,000万ドルとなっている。これは、これまで最高だった2005年の65億2,977億ドルを上回り、過去最高額である。かつ、国別で見ても第1位で、全体の6.6%を占めている。

 中国の投資受け入れ全体は、2009年来の前年割れで、3.7%減の1,117億ドルとなっている。あれだけ投資に積極的なアメリカ企業でさえ、4.5%増の31.3億ドルと微増に過ぎない。そんな中で、日本企業の対中投資の増加は、突出しているのである。そして、中国において1000万人もの雇用創出に貢献している。

 しかも、日本企業の対中投資は、2012年も相変わらず製造業が中心である。輸送機械器具は9割増、電気機械器具は3割増といった感じだ。いまや世界の多国籍企業の対中投資の過半数は、非製造業にシフトしており、とりわけ不動産業が全体の2割を占める。製造業が、工場を伴って長期にわたる投資になることを鑑みれば、日本企業はいまだに中国において積極果敢に攻めているのである。

 それは、月別に見ても明らかだ。昨年9月に大規模デモが発生し、10月は当然ながら投資は減少したが、11月と12月は再び増加に転じている。また、JETROが2012年10月~11月に、主な日系企業1268社に対して実施した調査によれば、「今後1~2年の中国事業を拡大する」と回答した企業は、全体の過半数の52.3%に上っている。「現状維持」と回答した42.0%も含めれば、実に94.3%の日系企業が、中国ビジネスを減らす気など毛頭ないということになる。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら