主将・廣瀬俊朗(北野高→慶大理工→ラグビー日本代表)「オトコが惚れる人間力」
アメリカ戦で奮闘する廣瀬。東芝のチーム会議では、4~5人ずつで協議をさせ、最後に自分の意見を言う

「ラグビー日本代表のヘッドコーチ、名将エディー・ジョーンズが、『彼にはキャプテンの資質がある』と真っ先に選んだのが東芝の廣瀬(俊朗・31)選手でした。5年間代表から離れていましたが、冷静なプレーとリーダーシップは抜群。サントリーの監督だったエディーが敵ながらあっぱれと惚れ込んだのです」(ラグビーライター・向風見也氏)

 6月15日、ラグビー日本代表チームは歴史に残る勝利を記録した。東京・秩父宮で、世界ランク5位の強豪・ウェールズを23―8で下したのである。ウェールズが若手中心だったとはいえ、スコア通りの完勝だった。続く19日にはカナダ、23日にはアメリカにも勝利。サッカー日本代表はコンフェデレーションズ杯で格上チームに3連敗を喫したが、ラグビーの代表は世界に実力を示した。

 その中心にいるのが主将・廣瀬だ。

「173cmと小柄ながら、ウイングとして、冷静な観察力とインテリジェンスを生かしたプレーが得意です。ウェールズ戦では、日本チームが右への攻撃を集中的に続けるなか、彼が一瞬左への攻撃に出た。生じた敵の隙にほかの選手が右へトライするという鮮やかなプレーがありました。彼の観察力が生きたプレーです」(前出・向氏)

 廣瀬は、頭脳も超一流だ。大阪の名門進学校、府立北野高校卒。橋下徹大阪市長はラグビー部の先輩にあたる。慶應義塾大理工学部に進学した後、東芝に入社。日本代表のSHから、三井住友銀行の役員にまでなった伝説の男、故・宿澤広朗氏をほうふつとさせる経歴なのだ。

生来のリーダー

 廣瀬は、「男が惚れる男」でもある。彼を評する多くの人の口調が、自然と熱を帯びてくる。