快調ロッテ引っ張る4番が胸中吐露 今江敏晃 「挫折からの生還」
昨年までのプロ11年で、通算1032安打を放っている今江。そのうち230本が二塁打で、〝ミスターダブル〟とも呼ばれる。ゴールデングラブ賞4度受賞〔PHOTO〕濱崎慎治

「結果が出ず、試合に出るのが恐かったです。スポーツ紙の打撃成績欄を見る勇気もなかった。家に帰れば何とかきっかけを摑もうと好調時のDVDを繰り返し見るのですが、いつの間にか明け方まで見入ってしまい、睡眠時間が削られ疲れが抜けないまま翌日の試合に臨む。そんな悪循環にはまっていたんです。何をしていいのか分からず、大きな不安にかられていました。『もう俺も中堅の年齢。これが限界なのか……』と」

 ロッテの4番・今江敏晃(29)は、今シーズン前半まで苦しんだ絶不調期を、こう振り返った。

 今江はPL学園(大阪府)で1年時から4番に座り、'02年にドラフト3位でロッテに入団した野球エリートだ。高卒4年目の'05年にレギュラーを獲得すると、'10年にはリーグ3位の打率3割3分1厘を記録。'05年に続き、2度目の日本シリーズMVPに輝いている。そんな今江がぶち当たったのが、'11年から導入された低反発の〝統一球の壁〟だった。

「『このまま俺は終わってしまうのか』と、ずっと沈んでいました。チームメイトと会話もせずに、悶々として球場を後にすることもあったんです」

  '11年に打率を2割6分9厘まで落とした今江は、翌年身体のキレを出そうと体重を8㎏ほど絞って臨む。バットも低反発のボールに負けないようにグリップを太くし、遠心力を高めるため1cmほど長くした。しかし、'12年も2割5分3厘と結果を残せない。今シーズンに入ってからも、4月後半まで打率1割台と低迷。4月25日の西武戦では6番サードで先発出場するも、6回1死一、二塁の好機に代打を送られる屈辱を味わう。

「前の打者が敬遠されるシーンも多くありました。今江は本来気さくな選手です。それが練習中も下を向き、グラウンドでも元気がなかったですね。虚ろな表情で記者の問いかけにあまり答えなくなった。ベンチ裏で一人うなだれている姿も、よく見かけました」(スポーツ紙記者)