毎日フォーラム~毎日新聞社

「第三の矢」を閣議決定
「踏み込み不足」との批判 秋に追加戦略[成長戦略]

2013年07月15日(月) 毎日フォーラム
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講演で「成長戦略の三本の矢」について語る安倍晋三首相=東京都新宿区で6月5日

 政府がアベノミクス第三の矢と位置づける「成長戦略」が6月14日閣議決定された。女性の積極活用や規制緩和などを通じて民間活力を喚起し、国民1人当たりの名目国民総所得(GNI)を10年後に現在の4割増の「150万円以上」増やすという内容だ。各省庁の提案施策を手当たり次第詰め込む一方、参院選を意識し痛みを伴う改革色を薄めたため「踏み込み不足」「総花的で理念が見えない」との批判もあるが、節々からは従来型の不振企業保護から決別し、将来性のある産業に予算と人的資源を振り向けるという安倍政権の意志が読み解ける。政府は秋の臨時国会に関連法案を提出し、戦略を実行に移す。

 成長戦略は「日本再興戦略」と名付けられ、副題は「ジャパン・イズ・バック」。甘利明経済再生担当相を仕切り役に楽天の三木谷浩史会長兼社長ら17人で構成する産業競争力会議(議長、安倍晋三首相)がとりまとめた。大胆な金融政策(第一の矢)、機動的な財政政策(第二の矢)で高まった世間の先行き期待感を「行動へと変えていく」とし、約250の個別政策を実現までの工程表付きで列挙した。これらの施策に取り組むことで今後10年間の国内総生産(GDP)を名目で年平均3%、実質で2%成長させ、1人当たりGNIは150万円以上増やすという。

 個別政策は▽日本産業再興プラン▽戦略市場創造プラン▽国際展開戦略――の3アクションプランにまとめた。

 特に目を引くのは産業全体の底上げ策を記した日本産業再興プランだ。過小投資、過剰規制、過当競争を「日本経済の三つのゆがみ」だとし、これらを今後5年間で「根本から是正」すると宣言。経営不振でも人員整理をしなかった企業に支払う雇用調整助成金(12年度1134億円)を大幅縮小する一方、従業員の転職先を開拓した企業に支給する労働移動支援助成金(同2億円)を拡充し、15年度までに両助成金の予算規模を逆転させる施策を盛り込んだ。

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