サッカー
二宮寿朗「ブラジルW杯、重要なベースキャンプ地選び」

 コンフェデレーションズカップはホスト国ブラジルの優勝に終わった。
 南アフリカW杯覇者で公式戦29戦無敗中だったスペインを3-0と圧倒した。スペインが延長戦に突入してPK戦にまでもつれ込んだ準決勝から中2日だったのに対し、ブラジルは中3日。コンディションの差は歴然だった。ただ、それ以上に倒れ込みながらも先制点を奪ったFWフレッジのシュートや、無人のゴールに放たれたシュートを必死に戻ってクリアしたDFダビド・ルイスのプレーには、ホームで必ずや優勝してみせるという凄まじいばかりの執念を感じた。

 ブラジル国内は政治不信によるデモの拡大という負の要素を抱え、公的資金を注ぎ込むW杯の反対を訴える国民の声も大きくなっていた。カナリア軍団も、心のどこかでずっと気にしていたはず。MVPを獲得したFWネイマールも素晴らしかったが、一人ひとりがチームに尽くそうとする彼らの総合力こそが素晴らしかった。ブラジル国民に捧げる、見事な優勝劇。来年のW杯本大会に向けて、ブラジル国内の“熱”は一層、高まっていくのではないだろうか。

ドイツW杯の教訓

 リオデジャネイロのマラカナンスタジアムで行われた決勝戦には、日本のアルベルト・ザッケローニ監督も視察に訪れていた。グループリーグ3連敗に終わりながら、帰国せずに何を悠長にと思われるかもしれないが、彼は試合の視察のほかに大事な任務を担っていた。それは本大会で使用するベースキャンプ地の選定作業である。報道によれば、予選最後のメキシコ戦の会場となったベロオリゾンテ周辺の候補地を訪れたようだ。

 たかがベースキャンプ地と言うなかれ。決勝トーナメントに勝ち進んでいくとなれば、W杯は1カ月近くの長丁場になる。トレーニング環境、生活環境は、チーム状況にも大きな影響を及ぼす。

 過去を振り返ってみると、その重要性が浮かび上がってくる。“史上最強”と期待を集めたジーコジャパンは2006年のドイツW杯で2敗1分けという結果に終わり、グループリーグで1勝もできずに姿を消した。このときのベースキャンプ地となったのがボンである。

 オフの日には近くでショッピングを楽しめるなど、日本に近い環境だとジーコ監督が最終的に判断した。しかし、開催国のドイツを除いてW杯行きを世界一番乗りで果たしたにもかかわらず、選定作業に時間が掛かってしまった印象がある。

 結局、宿泊施設を貸し切ることはできなかった。地下にある食事会場には窓がなかったようで、「食事会場に行くと、今が朝なのか昼なのかよくわからなかった」と漏らす選手もいた。チームとしては晴れの日に屋外で食事をする予定もあったそうだが、天候の悪い日が続いてその計画も実行に移せなかったのだという。

 ここに敗因を求めるつもりは毛頭ないのだが、ドイツW杯の教訓を踏まえて徹底的にベースキャンプ地にこだわったのが、前回の南アフリカW杯時の岡田武史前監督だった。